定番スキルと認知バイアス

表紙2

15年、20年たっても役に立ち続けるスキルってなんだろうというのが、ここのところのテーマで、それを掘り下げてみて、先日「コンサル一年目が学ぶこと」という本にまとめた。

これは、元コンサルのひとにインタビューして、15年、20年たっても役に立つ1年めのスキルを教えてくれといって、そのスキルを30ピックアップしたものだ。

元コンサルのひとは、会社を創業し上場させたひとや、大学の教授や、衆議院議員や、ファームのパートナーなど、いろんなひとに聞いた。職種もやってることも違うが、それでもなにが大事な基礎スキルなのか、といことを聞いた。

その結果は、ある意味では予想を裏切っていて、最新の経営理論や、カッコイイフレームワークなど、そんな感じでコンサルで学ぶことは、たいして役立たないということだった。

目新しいスキルのリストも提示したけれども、みんなそれはたいして役には立たないという結論だった。役に立つのは、基本のスキルなのだ。

それよりも、期待値のコントロールや、仮説思考や、プロフェッショナルとしての立ちふるまいといったことが大事だという結論である。いずれも目新しい物ではない。

その事実を曲げるわけにはいかないので、本書でかいた30のスキルは、目新しいことは取り上げず、基本の基本に絞ってある。

しかしそこに矛盾があって、基本のスキルは、過去にも解説がされており、目新しいノート術や整理法などとは違って、おなじみの物も多い。

なので、ふたを開けてみると、「なんだ、それ知っているよ」というものも多い。たとえば、私がこの本であげている30のスキルは、ビジネス書マニアなら、ぜんぶお馴染みのものだろう。

しかし、これは認知バイアスである。

ノーベル経済学賞のカーネマンが指摘するように、人間は、答えにくい問題を、簡単な問題に置き換えて解くという心理作用がある。

たとえば、次の2つを、人間の脳は同じものに錯覚する

・仮説思考について、「何度もきいて知っている」

・仮説思考が実際に見についていて出来るようになっている

この2つは全く別のものだ。だが、人間の脳は、後者の代わりに、前者ですまそうとする。

「それはすでに身につけている」というのを、「それはすでに聞いたことがある」というのに置き換えてしまう。

実際に、身についているかをとうと、殆どの人は身についていない。ただ、たくさん話しを聞くので、身についたと錯覚しているにすぎない。

ビジネス書を多読する人ほどその傾向にある。知っていることと、自分が使えるようになっていることを錯覚してしまう。その結果、基本ができていないのに基本事項はスルーして、最新の目新しい物を追いかけてしまう。

本書はそういう意味で言うと、流行を追わない路線である。15年たっても20年たっても、業界問わずに、役に立ちづつけるスキルは、ベーシックなものである。

本書では、元コンサルたちが、なぜそのスキルを挙げたのか、なぜそれが15年後も大事なのか、ということを納得できるように書いた。そしてそのスキルを学ぶには、1年めにどうしたらいいのかということを書いたつもりだ。流行のスキルを追うより、それらを知るほうが、価値が有るだろう。

紀伊國屋豊洲2

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「コンサル一年目が学ぶこと」発売と増刷のおしらせ


表紙2

 

本日、新刊となります「コンサル1年めが学ぶこと」が発売となりました。

紙の本としては昨年のノマド化する時代以来の一年4ヶ月ぶりの本になります。

いま本当に忙しく、詳しい内容を書く時間がありません。

本当に申し訳なくおもっているのですが、大切な部分だけ書きます。

本書は、コンサルの方にご協力いただき、なにが本当に役立つスキルなのかを議論した結果、

新人時代だけや、コンサルだけに通用するスキルをカットして、10年、20年、たっても

いつまでも役立ち続けるスキルだけを選び出しました。

そのスキルを解説したのがこの本です。

なので、私の意見を述べたものではなく、ご協力いただいた元・現役コンサルのかたのご意見にによるもので、このスキルリスト自体に価値があります。

もう一つ伝えたいことは、多くの方の協力をいただき、とても順調なスタートになったということです。

素晴らしい編集をへて、すばらしい表紙がつき、すばらしい本に仕上がりました

書店で多くの場所をとっていただき、並べて頂いております。

書評や、ツイートなどで、感想を頂いております。

そして、それを受けまして、ディスカヴァー社の干場社長が、発売当日に異例の増刷を判断してくれました。

ありがとうございます。

この場所を借りまして、お礼申し上げます。

 

maruzen-marunouchi1

 

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10年後のシゴトのカタチ、10のヒント 

10年後のシゴトのカタチ、10のヒント が発売になりました。

今回の本は、元アップルの松井博さんとの共著です。 お互いに、ツイッターでフォローし合っていて、考え方やアプローチが似ていることもあり、意気投合しておりました。松井さんの帰国日程にあわせて、二人でセミナーを開催。100名の会場が1日でうまってしまいました。 キャンセル待ちもでるようななか、好評だった講演をもとに、書き下ろしたのが本書になります。

昨年度は、日本人の働き方について、かつてないほど様々な意見が交換された年でした。ノマドに始まり、グローバルマッチョまで。しかし、多くが、まだ未来の話だとか、空論だとかそういう指摘をうけたのも事実です。 言論というのはすこし先をいってしまうもの。2014年は時代が追いついてきて、だんだんと、その現実味がましてくる1年になっていくとおもいます。

本書では、やさしいノリで、シリコンバレーと、アジアの新興国で起っていることを、そのまま伝えるという体裁をとりました。私達の意図は、なにかグローバル煽りをすることや、こうしないと死ぬみたいなことを言いたいわけではなく、みなさんがこれからの10年を働くために、どうしたらいいのか、基礎となる知識や、判断の材料を提供することです。 そして、みなさんそれぞれが、自分の考えを元に、自分の道をあるいていっていただければいいとおもいます。10年後のシゴトのカタチというタイトルですが、このシゴトが良い悪いではなく、みなさんが主体的に、自分の考えで働き方を選んでいくことができるように、そういう人材になってほしいという思いを込めています。

自分で判断して歩めるひとは、時代がどうなろうが、きっと大丈夫です。そのためのヒントを書いたつもりです。

ぜひ、kindle ストアからお買い求めください。

(リンク) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00HOTLXKQ/den2-22/

なお、kindle本は、専用端末でないと読めないと思いがちですが、アプリをインストールすれば、iPad, iPhone, Android端末など、すべてのスマートフォンデバイスでお読みいただけます。ぜひアプリをインストールしてお試しください。

学生の皆さんには、シゴト選びについて書いたこちらの書籍もぜひ。

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人生設計ってなんだろう?英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいに答える

英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?~就職活動、仕事選び、強みを作る処方箋

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直感に反する確率の話。

直感に反する確率の話です。

【問い】

ある疾患があります。その疾患は先天的に100万人に1人に発生するというもので、ある特定の遺伝子の異常がその原因だということがわかっています。

遺伝子診断の進歩により、その遺伝子の異常を確かめる方法が開発されました。そのテストをすると、99.99%という高精度で遺伝子の異常のありなしを確かめることができます。

ある人が、このテストを受けました。

結果は、陽性となりました。

この人はどれほど深刻に考えればいいのでしょうか? というのがこの問いです。

——-99.99%で病気を発病するのでしょうか?

——-もう悲観的になるしかないのでしょうか?

——-しかし、確率論が計算する、その答えは、きわめて直感に反しています。

——-計算できるひとは、ためしに計算してみてください

——-答はつづきを見るで

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ブックレビュー 「セカ就」。人間として精一杯生きていくということ。輝きを失わないということ。

セカ就! 世界で就職するという選択肢
朝日出版社 (2013-07-10)
売り上げランキング: 58

 

 

森山たつをさんの、「セカ就」を頂いたのでレビューします。小説を書いているというからなにかとおもったら、セカ就のフィクションだったとは!

ご存知かもしれませんが、数カ月前に森山たつをさんとは「普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド」(略してグロ転)を共著で書かせて頂きました。

グロ転は、海外就職といっても、いろんなタイプのものがあってごちゃまぜに議論されているので、それをキャリアパス、キャリア構築という視点から整理した本です。

「セカ就」のほうは、もっと具体的に、実際に海外就職ってどうなのよという事例が5件、ストーリー仕立てでのっています。

これが、かなり面白い。

海外就職のインタビューとかにしなくて正解だとおもう。主人公はいずれも、日本で就職に失敗してしまった人だったりして、そういうひとが、思い悩んだり、現状を打破する過程で、海外就職をしって、海外でチャレンジし成長するというもの。

例えば、

○ブラック企業居酒屋に入社してしまい、疲れ果てたのち、インドネシアに向かったひとと

○米国の大学をでて帰ってきたものの日本企業では総スカンをくらってしまって、シンガポールに言った人とか

○派遣社員の経歴しかなかったものの、マレーシアにいったら評価されたとか

実際いろんな事例をしっている私からみて、主人公のシチュエーションがもう、ほんとにリアルで、「あるあるあるある」と連呼してしまいました。

いま、日本のよくないところは、選択肢が狭まっていることです。

新卒の就職の1回限りのワンチャンス。そこで、ちゃんとした企業の正社員になれないと、人生おわりみたいな。しかも、その新卒正社員の椅子はどんどん減っている。

そして、ブラック企業に就職してしまったり、海外帰りで馴染めなかったり、派遣社員になってしまうともう終わりとか。

とにかく誰もが不幸になるようなシステムとしか思えない。

レールから外れてしまった人。もしくは、自ら外れていきたい人。外れたくないけど、レールの上をすすむのに疑問をもっているひと。

そういう人の選択肢がもっとふえたらいい。キャリアの選択肢が。

日本企業の正社員になって、できれば定年まで勤めるといったキャリアパス以外の方法があっていいのです。

最近は、外資系にいくとか、起業するとか、ネットベンチャーに入るとか、むかしに比べるとかなり選択肢がふえてきたようにおもいます。ノマドもふくめてね。海外就職もその選択肢の一つだと思う。

その選択肢は、”全員を既存のレールの上に載せる”のが政策のゴールで正しいと信じるひとからは痛烈に批判されているけれども、わたしはむしろ、既存レール以外にすすむ人がもっと増えて、どんどんやっっちゃって、そっちの道がもっと開ければいいとおもう。

ベンチャーだって、誰もがベンチャーなんていつ潰れてもおかしくないとか、スキルがない新卒がベンチャーなんて危険きわまりないとか言っていたけど、新卒で楽天に入社した田中氏が楽天をやめてGREEをつくって、そしてGREEにはいま新卒社員がはいっている。そうやって世の中は回転してきている。

ベンチャーは2回転目にはいったけど、海外就職は、いまが1回転目のはじまりだとおもう。

海外就職については、かつてのベンチャー就職と同じように、批判も多い。海外就職は駐在員の小間使いだとか、給与がやすいとか、全員が海外で働けるわけではないとか、海外ではたらくやつは日本全体からしたらごく一部にすぎないとか、将来日本に帰ってこれなくなるぞとか、お決まりの指摘もある。

「セカ就」を読むと、そんなことはさておき、主人公たちが生き生きとしている姿に心を打たれる。斜めから批判するのもいいけれども、セカ就のストーリーをよんで、なにか心をうたれるものがあって胸があつくなるのは、人間として精一杯生きていって、自分として輝きたいという、とても素直で単純な思いを主人公たちが実直に選択しているからだ。だから、それに共感する。

これはフィクションではあるものの、それぞれに元になった実在の人物がいるとのことだ。そしてその人が感じている、「一生懸命に生きている感」は、フィクションでも実際でも一緒だろう。

個人的には最後に登場した、香港ではたらくIT出身のコンサルみたいなひとの話が心に染みた。なにやら森山さんのような経歴のようなひとだが、この人物のモデルは森山氏自身かもしれない。

そしてこの人物は、それまでのひとが成功談ばっかりだったけれども、この人は海外就職で失敗する。そして、大人としてクールに成長し、さらに大きな花をさかせるのだ。

1-4話までは若者の青春的な成長物語として、5話は、ビジネス小説ちっくなリアル感のあるような話として楽しめるとおもう。

この本からは、海外就職のノウハウとかキャリアの話とか、そういうのを読み取ることもできるけれども、ちょっと自分の考えや選択肢を広くとれば、生きることは楽しくなるのかもしれないということを知ってほしい。自分で変えられることは、いまの世の中、意外にもたくさんあるのだ。

おすすめです。

なお、5話のなかででてきたグローバルの人材とは?といった話が気になるようなら、そのあたりを整理した森山さんとの共著をお読みいただければと思います。そのあたりの疑問にお応えするように、海外がらみのキャリアを整理して解説しています。

普通のサラリーマンのためのグローバル転職ガイド
大石 哲之 森山 たつを
東洋経済新報社
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ノマド化する時代 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
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ブックレビュー 「キャリアポルノは人生の無駄だ」という本を読んだら人生を無駄にするのか?

キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)

キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書) 谷本真由美(@May_Roma) (2013/6/13)

朝日出版社より献本御礼

本がとどいていると実家から電話があった

わし 「何の本だろう、開けてみて」

親 「えっと、うーん、キャリアポルノ(ガクガクブルブル)とか書いてあるけど・・」

わし 「ああ・・・ガクガクブルブル。それは、大事な本だから捨てないでとっておくように」

親 「(ガクガクブルブル)」

ということで、読んでみました。

キャリアポルノというのは自己啓発本のこと。ポルノをいくらみても、実際の男女で性行動をするひとがいるわけではなく、ポルノをみて満足するのと一緒で、キャリアポルノ(自己啓発本)はいくら読んでみたところで、自分の生き方は考え方を変えるわけではなく、一時的に意識が高くなってそれで終わりだということを指摘しています。

キャリアポルノなんぞ読んでも意味が無い

この本自体が、キャリアポルノを読む層に馬鹿にした、キャリアポルノではないかという批判がアマゾンではたくさんついていますが、注意深く読めば著者の主張はそうではないことがわかります。

これは、むしろ、キャリアポルノを読まざる得ない層への愛のメッセージです。

キャリアポルノなんて、読んでも何も変わらない、秒速で億万長者になれたり、5日でMBAの知識がついたり、戦略コンサルタントに転職できわけではありません。

ポルノと一緒で、読んで終わり。読んで満足。そういうものなのです。

キャリアポルノは、ポルノといっしょで、エンターテイメントではないでしょうか。自己啓発本に効果をもとめるのは筋違い、せいぜいユンケルのような一時的な精神高揚効果しかありません。

ようするにこれはエンターテイメントとして読むべきだということなのです。

あはは・・・秒速で1億円なんておもしろいこといってるなぁ、とか

いままでは1年で1億とかの世界だったのに、ついに1秒で一億の世界まで来てしまったかすげーな、とか

そういう感じで多少ナナメにみながら、楽しんでいればいいのだとおもいます。

ハリウッド映画を見て、スーパーマンみたいに普通のうだつのあがらない青年も一夜にしてスーパーマンになれるとか、青い色をした異世界の巨人に人間がアバターして愛をかたっても、それから別に人生の教訓をえて、生まれ変わろうとは思いません。ああ楽しかったでいいわけです。

当のポルノだって、あれで性交が上手くなるとか、モテるようになったり、ましてや早漏がなおったり、珍子が1cm伸びるとかそういう効果なんか考えたりしませんし、キャリアポルノでよくあるように千円札を拾う時間や、時給を考えたらタクシーをつかえとか、そういった教えを額面通りにうけとって、ポルノを見ている時間を時給計算して、そのお金でアレな店にいったほうが、リアルな体験ができるんじゃないかとか、そういう効率性を説教しているわけではないのです。ポルノとは、単に興奮して、慰めが液体がティッシュを濡らせばそれであとはどうでもいいわけです。

なので、キャリアポルノも、ああ、楽しかった、ああ興奮した、ああちょっと汗が出た、とか、すなおに読後の清涼感を楽しんで、あとはゴミ箱にすててしまって忘れてしまうのが正しい読み方だとおもます。

著者は、キャリアポルノに惑わされるような人生はつまらないものだといっています。

仕事がすべて、キャリアップがすべてではなく、昼間の仕事はつまらなくても、夜になると女装して自転車で駆けずり回ったり、アナルがどうのこうのと叫ぶようなバンドのショーにいって頭を振りまくったりすることで、生きがいを感じて楽しければそれでいいのだと。

日本人は働き過ぎ、強迫症です。もっと、ゆるく生きていいのだ、もっと、人生をたのしみなさい。

という力を抜いて、もっと周りのひとや自分を愛しましょうというメッセージだと取りました。

後半は、著者の知られざる半生やイタリアでの話などがあり、前半までとはちがい、またーりと読むことができました。

キャリアポルノを徹底的にこき下ろす内容かとおもいきや、ありのままの人生を肯定する、とてもやさしい内容のように思えたのです。

軽く読める本なので、エンターテイメントとして読むといいと思います。批判のなかには「これ自体がキャリアポルノではないか?」「もはやブーメランじゃないか」という指摘も多いようですが、著者が気づいてないわけがありません。これは一流のエンターテイメントなのですよ、みなさん。こういう高度なレトリックを忍ばせる著者のセンスが好きです。

電子版は475円ですので、ぜひ気軽に楽しんでみてはとおもいます。

キャリアポルノも、キャリアポルノを人生の無駄とした本も、メイロマさんのツイッターもすべてみな人生を楽しむには欠かせないものです。大いに楽しみましょう。

 キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)

キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書) 谷本真由美(@May_Roma) (2013/6/13)

 

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「日本に殺されず幸せに生きる方法」どう考えても必要ない過剰なサービスを提供していることで、日本人は度をこした労働を強いられている

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キンドル本「コンサルタントの読書術」が単著として1万冊を突破しました。

勝間和代さんが本日ツイートで、100円キンドル本が累計1万冊を超えた!というのがありまして、そこで、そういえばぁ、とおもって、気になって自分の本の販売数をカウントしてみました。

 そしたら・・・

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

わおーーーー

な、なんと、

10398部

1万部こえてた!

自分でも信じられない事実が判明しましたんで、こちらのアナウンスさせていただきます。以下リリーズ。

大石哲之による、Amazon Kindle ダイレクトパブリッシングで出版しました、
「コンサルタントの読書術」が単著として、1万冊を突破しましたのでおしらせします。

コンサルタントの読書術 確実に成果につながる戦略的読書のススメ
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「企業が帝国化する」~超帝国の力学を知る。知りたくない人も居るだろうけど、知らないとやばいよ。

企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)

個人的には、ロビー活動の話しがすごかったです。

帝国化した企業が活動しやすいように、米国では企業のロビー活動に莫大なお金がつぎこまれているとか。フェイスブックや、グーグルが個人情報を収集しやすいように、プライバシー関係の法律がなかなか改正されないように気合がはいっているとか。給食にピザが出るのは、乗っかっているトマトソースが野菜と認識されるロビー活動の結果で、野菜がはいった健康食というカテゴリになっているとか。

今後は、これらの帝国企業が作ったルールや、商圏や、ゆくゆくは通貨が、国のモノと同等になっていくか凌駕していくという時代の方向に向かっていくでしょう。

ノマド化する時代 (ディスカヴァー・レボリューションズ)
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意味もなく走る場所がなくなった段階で、我々は年老いていく「若者よ、アジアのウミガメとなれ」を読んで

加藤順彦さんの本。加藤さんの講演は熱いと聞いていたが、聞く機会がなかったので、今回講演録として収録された、この本を読んでみました

熱い。

熱すぎる。

加藤氏の情熱が伝わってくるすばらしい本です

加藤氏は、若者はアジアのウミガメになれといっています

出る杭を叩いたり、若者が成功すると官民でいじめる日本のなかよりも、

海外で成功して、有無をいわなさい実績をつくって、日本に凱旋する若者をそだてたい。

それをウミガメだと表現しています。

加藤氏は自身の経験から、ビジネスは、とにかく風をつかむことが大事で、

成長市場の自動のエスカレーターに乗ることの重要性を繰り返しています。

氏は、ダイヤQ2ネットワーク、インターネット広告と2つの乗って来て、次の並はアジアの成長にあると確信して、シンガポールに移住しました。

そして、最後のページにさらりと書いてあったベトナムの話しが心をうちました。

ホーチミンのバイクは朝の5時半から走っているといいます。

なぜそんな朝早くからバイクにのって何処に行くというのか?ベトナム人は会社に5時半にいくのか?

そうではないらしいのです。

「彼らは出勤しているのではない。朝が来て嬉しいから走ってるんだ。朝が来たことを喜んでるんだ。会社には歩いていってる人も多いよ」

ただ単に、走っているのです。

人間、年をとると、無意味なことはしたくなくなる、と氏は言います。

目的のない行動をさけて、燃費を良くする。

「意味もなく走る場所がなくなった段階で、我々は年老いていくんだろうと。妙に計算高くなって、訳知り顔で、人生を皮肉るにはまだ早い」

私もそう思います。

なんの因果かわたしもベトナムにしばらく着ていますが、べつに何の目的もなく、たんに来てみてここにしばらく滞在してます。

人からは、なんでベトナムに来たのか、ときかれますが、「本を書くため」といっていますが、ホントは理由はありません。たんに日本以外のところの空気をすって、いままでの固定観念や、窮屈な思いを、洗いざらい流しているのです。

私の行動も、まったくわけわかりませんが、わけわからないことでも思い切ってやってみるものです。いま僕は、ベトナムで、ああ生きている、という実感を持つことができています。

個人的には、私も次の波が見えてきたので、そろそろ乗ろうとおもいます。電子書籍と、アジア。この2つが私にとっての次のビックウェーブです。

 

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僕らの時代のライフデザイン 日本人の生き方のレールを問いなおす

米田さんの著作のなかで、私の事例が紹介されました。

米田さんは、生活実験「ノマド・トーキョー」のなかで、家もオフィスももたず定住しないでくらすという実験を1年間しました。そのときの体験から得た、ライフデザイン論をかたっっています。

もはや、固定化されたレールや、固定化されたライフデザインをつくって、それを計画的に実行するというのは辛くなるだけじゃないか。というのは、私も強く同感します。

アジャイル型や、リーンスタートアップのように、人生やキャリアも、しなやかに生きる。

クイックでスタートし、その後試行錯誤をしながら、多様な刺激を得て、どんどん人生を方向転換していったほうがいいのではないか?という提言がされています。

固定化されたレールを如何に早く走ることができるか、というライフスタイルがすべてだった日本人にとって、価値観の転換が必要だと私も強く思っていますし、私自身もライフスタイルをガラリとかえました。

嫌なことをするのは一切やめたし、

複数の肩書きや、仕事を同時並行的にして、

多くのひととコラボレーションする

そういったなかで生まれていくものを大事にしていこう

それから、日本だけではなく、世界をみて、広い視点でいろいろなものを見ていこう、

と感じました。

いまのところ、日本人の生き方は、

サラリーマンになるか、起業家になるか、その2つくらいしか選択肢がありません。

自営業やフリーランスや、私のようになにをやってるのか分からないひとは、なんと肩身がせまいことか。

僕自身のミッションも、これらのレールから外れたひとが、自分の選択で、自分の意思で、個人として生きてくライフスタイルを、多くのひとに認めてもらう、そのためにいろいろ発信する。これが僕のミッションだとおもっています。

本書でもとりあげられている、わたしのコミュニティ「nomad研究所」はまさにその目的のために作りました。

まさに、米田さんと通じるところがありました。未来を見据えた、とてもすばらしい提言だと思います。

私は、「ワークデザインつながりが生む働きかた」という章で、取り上げられています。感謝です。

僕らの時代のライフデザイン 自分でつくる自由でしなやかな働き方・暮らし方

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大石哲之が選ぶ今年のベスト10読書

2012年も最後となりました。 そこで、締めくくりとして、2012年度に読んだ本のベスト10を書いてみますね。

ビジネス書、フィクション、ノンフィクション、全部あわせての総合ランクです。

なお、2012年発刊本ということではなく、2012年に僕が読んだ本、というククリにしています。
その理由は後述。タイトルも、今年のベスト本ではなく、今年のベスト読書、ということにさせていただきます。




■1位 ありえない効果

禁酒セラピー [セラピーシリーズ] (LONGSELLER MOOK FOR PLEASURE R)
アレン・カー
ロングセラーズ
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これはやばかったです。

飲酒グセがぬけず、毎日泥酔するくらいまで飲んでいた私が、あっという間に禁酒できました。
ちょっとたまには飲むが、量は1/5くらいに減ったし、飲み過ぎて翌日吐きまくりみたいなことが、以前は月に1-2度あったのが、今年はゼロです。

私の健康状態を著しく改善させてくれた本で、もっとも感謝しております。
信じられません。

しかもこのメソッドは、我慢するという苦行をしいるのではなく、考え方を180度転換させるもので、お酒を飲まないことが、苦しくないばかりか、人生を豊かにしてくれるという、信じられない方法です。

こんな考えが可能だったのか・・
もはや僕の頭の中での衝撃度でいうと今年一番でした。

ちなみにこれを読んだ友人が同じく衝撃を受けすぎて、一切お酒をのまなくなりました・・


なお同じ具合で、禁煙セラピー、というのもあるようなので、禁煙できない人はこちらもよんでみてください。

イラスト版 禁煙セラピー [セラピーシリーズ] (LONGSELLER MOOK FOR PLEASURE R)

■2位 一流のサスペンス、映画みたいな本

FBI美術捜査官―奪われた名画を追え
ロバート・K. ウィットマン ジョン シフマン
柏書房
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著者は、盗まれた美術品をマフィアや犯罪組織から取り戻す専門捜査官。
囮潜入捜査で彼らに取引を持ちかけ、取引が成立した瞬間にSWAT部隊がなだれ込む。
まるで映画のような内容。文句なし。


■3位 おなじみですが、ようやく読みました。
人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵
サンマーク出版
売り上げランキング: 63

お馴染みのこの本ですが、自分の部屋の惨状をみて、買うことにしました。

これは、禁酒セラピーと同じく、考え方の転換を図る本。

ときめくか、ときめかないか、で物を残しておくかどうかを決めるという発想はまさにそのとおりだとおもいました。
そして、僕の場合、当日から片付け始めて、2-3日で、ゴミ袋20個くらいはゴミが出たという。
脅威の効果です。
正直、売れるだけはある、実用書としてこれほど効果のあったものはいままでない。
素晴らしい本です。

■4位 知られざる歴史の一幕

眠れる名画―スリーパーを競り落とせ!
フィリップ モウルド
文藝春秋
売り上げランキング: 425,582

スリーパーというのは、眠れる絵画、
巨匠の書いた絵が、作者不明というかたちで、安くうられていることがあるようなのです。
それを見抜き、巨匠の絵だということを証明して、絵を本来の姿に取り戻す。

なんか、バフェットのバリュー投資みたいな感じの絵画版です。
こういう仕事があるのだというのが面白い。

眠れる絵画を探し当てる過程や、絵にまつわる歴史が非常に面白く、すばらしいノンフィクションになっています。

■5位 富裕層のバーチャル国家

ザ・ニューリッチ―アメリカ新富裕層の知られざる実態
ロバート・フランク
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 59,842

リッチスタンというアメリカの富裕層のバーチャル国家をなぞらえた。 富裕層が何を考えどういう生活をしているかというドキュメント。これは面白い。

■6位 8000m14座登頂の竹内さんインタビュー

初代竹内洋岳に聞く
初代竹内洋岳に聞く
posted with amazlet at 12.12.30
塩野 米松
アートオフィスプリズム
売り上げランキング: 23,294

8000m14座登頂のニュースは記憶にあたらしいのでは。

その竹内さんのロングインタビューをまとめたもので500頁ちかくありますが、あっという間によんでしましした。 (なお、2座をのこしている時点でのインタビューです。)

淡々と竹内さんの登山の様子がかたられるのですが、飾り気もなく、純粋な気持ちが伝わってきてすごくよいです。 組織のしがらみが嫌になり、個人での登山にしたところとか、事故に会い、背骨にシャフトを入れながら、また山にもどってきたり。それも何かのためというより、良い登山をしたい、登りたいっていう気持ちから。

竹内さんの登山はすがすがしいです。先日放送したNHKスペシャルの、14座登頂のダウラギリもそんなかんじでした。 登頂のあと、淡々と、「さあ登山はおわった、戻ろう」みたいなところ、BCにもどったあとの「いい山でした」という言葉。 いや、これですよ、本物は違います。

■7位 ページが止まらなかった

ミニヤコンカ奇跡の生還 (ヤマケイ文庫)
松田宏也
山と渓谷社
売り上げランキング: 16,052

いろんな山岳遭難もののなかでもこれはすごい。すごいとしか言いようがない。壮絶な遭難であり、さらに筆致も壮絶を極める。 遭難モノが好きな人にとってはマスト。

ページを捲る手がとまらず、電車を乗り越してまで読んでしまった本

最後の一言が、ドシンとくる。

■8位 単なる節約生活本ではなく、人生哲学の本


前半はニートの生活について書いてありますが、後半がすばらしい。
だるいについて考えたり、世の中の多様性や、働くことについても考えを深められる、 最先端の考えかたの本だとおもいます。
phaさんの個人的考え方が多く語られていて、とてもよい。感動しました。


■9位 ベストのアート入門書

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)
藤田 令伊
集英社
売り上げランキング: 32,101

おそらく現代アート入門書として、ベスト。
いままで、何度この手のものを読んでも、現代アートは理解できなかったというひとも、まちがいなく理解できるように書いて有る。

マティス、ピカソから始まり、ロスコ、ウォーホール、セラーノ、最後は日本の無名作家。アートの歴史というより、アートの定義の変遷にふれて、それに対してどう鑑賞者は見ていけばいいのかということが、よく分かる内容になっているので、たいへんすばらしい。

ダイレクトにアートを見る時の手助けになる 正直これ一冊よむだけで、構えることなく、安心してアートと接することができるのではないかとおもいます。大変すばらしい本です。

■10位 節約本の先駆け

年収100万円の豊かな節約生活
山崎 寿人
文藝春秋
売り上げランキング: 4,340

今年いくつかでた節約本の先駆け。
いわゆる主婦の節約的なものではなく、ライフスタイル転換の本。
お金がなくても、豊かさは得られるという。
レシピ本としての評価が高いみたいですが、それじゃ意味が無いです。

■11位 イノベーションの考えに鉄槌

大停滞
大停滞
posted with amazlet at 12.12.30
タイラー・コーエン
エヌティティ出版
売り上げランキング: 83,415

ここ半世紀はもはやイノベーションがなくなったという本。
え、ネットやらなんやらで、イノベーションばかりじゃんか。
しかし、ほんとにインパクトをもたらす大きなイノベーションはすでに出尽くした、という本です。
かなり面白い見かたを提示しています。

■12位 唯一のマニュアル本

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)
勝間 和代
ディスカヴァー・トゥエンティワン
売り上げランキング: 12,635

おもしろい。有名人になる方法についての唯一の本。
これを本にしてしまうところが凄い。
中身も面白い。

■13位 オークションひきごもごも

サザビーズ  「豊かさ」を「幸せ」に変えるアートな仕事術
石坂 泰章
講談社
売り上げランキング: 16,746

世界的なオークション会社サザビーズの日本法人代表をされていた石坂さんの本。
美術業界に興味がある人なら、読んでおいて損はないでしょう。


■ まとめ

ということでした。 このリストを見せると、意外ですね、っていわれます。

・新刊がすくない
・ビジネス書がすくない
・趣味の本ばっかり

なんですよね。


どうも、話題のビジネス書を超速読でよみまくっているっていうイメージがあるみたいです。

わたし、実はビジネス書はそんなに読まないし、読んでいるのは趣味の本ばかりです。

量も、せいぜい年間に50冊も読めばいいほうです。

僕の場合、本というのはとくにビジネス書の場合、その情報がやスキルが必要な時に、必要な物を読む、という読み方をしていて、話題の新刊だから買って、それをまずは読んでみるということはしてません。

なので、話題の新刊でも、まず読んでないとおもって間違いないです。
(いちおうリサーチで、買ってみるだけ買っていることは多いのですが、90%積読です)。

そして、数年前の本でも必要なら読みます。(このランキングでいうと、「片づけ本」みたいなの)

どうしてこうしているのかというと、そうしたほうが、効率がいいからです。

世間では、ネットで話題の新刊を追いまくって、それを読むのに読書の時間のほとんどを費やすというやり方もありますが、トレンドを追ったり分析するのが趣味という方はそれでいいとおもうんですけど、なにかそれから学ぼうと思うと、効率は悪いと思います。

話題の本に時間をとられず、スキルは目的をしぼって効率良く学び、空いた時間で自分の好きな分野の本をよみ人生を豊かにしましょう(このランキングで言うとアートや登山の本)


といった理由で、12年に発表された本で12年に読んだランクを作ると、殆どまともなランキングにならないのです。12年に買った新刊本はけっこうあるけど、多分読むのは来年か・・。なのであえて12年に読んだ本ランクということにさせていただきました。

といいう持論を、↓こちらの本で書いてますんで、当てはまるとおもって、自分の読書習慣を改めたい人はご一読いただければとおもいます。

コンサルタントの読書術 確実に成果につながる戦略的読書のススメ
tyk publishing (2012-11-30)
売り上げランキング: 9



■人生を変えた5冊

最後に、今年という枠ではなく、オールタイム、わたしの人生を変えてしまった本については、過去のエントリで紹介してますんで、あわせてお読みください。

私の人生を変えてしまった5冊 – 起業、シンプルと豊かさ、真理、好奇心]


【ノマド研究所5期会員募集のお知らせ】人生は短いです。あーやりたい事があるのに、何か思い切って一歩を踏み出せない自分にいらいらする、もっと自由に生き見たいのに。ノマド研は、ノマド的な生き方を志向するひと、ノマド的な生き方を実践するひとのネットワークです。400名以上の価値観のちかいメンバーと一緒に語らいましょう。⇒ご案内

私の人生を変えてしまった5冊 – 起業、シンプルと豊かさ、真理、好奇心

近年(ここ5年)私が影響を受けた本ベスト5を書くことにしました。


「影響を受けた」というのは、単に面白かった・実用に役立ったというより、ぼくの人生観を変えてしまったいうことでピックアップしました。


シリコンバレー・アドベンチャー―ザ・起業物語



ジェリー カプラン
日経BP出版センター
売り上げランキング: 212389


僕が会社をつくったのは、起業したのは、この本を読んだからである。
著者は、ペンコンピュータを作ろうとして起業し、最後は失敗してしまうのだが、その起業のダイナムズムにワクワクして、こういう人生を送りたいとおもった。
夢が一杯つまっていて、夢が破れることも一杯つまっているが、それでも追い求める何かがそこにはある。




ジョン・ミューア・トレイルを行く―バックパッキング340キロ

加藤 則芳
平凡社
売り上げランキング: 24675

僕が登山を始めたのはこの本を読んだからである。カリフォルニアを南北に貫く340キロのトレイルを、たった一人、テントを担いですべてを持って歩く、バックパッキングという遊びを知る。
これをやってみたい。
翌年の夏、ぼくはカリフォルニアに飛んでいた。自然の中にいること、自分を見つめること、自分の足で歩くということ。すべての大切なことを、僕は山歩きから教えてもらった。シンプルであることと豊かであることを知った。僕の原点である。


冒険投資家ジム・ロジャーズ 世界バイク紀行 (日経ビジネス人文庫)

ジム・ロジャーズ
日本経済新聞社
売り上げランキング: 26525

この本はバイブルだ。とても重要な事が書かれている。
世界を自分の目でみること、そして、自分の目でみたことを信じること。
単なる冒険譚ではない、ロジャース氏の哲学に触れることのできる本。
そして、ジョン・ミューア・トレイルと同じく、長い旅、バイクでの世界一周。
僕もいつか、自分の目で世界を見る。そう誓った。


フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
サイモン シン
新潮社
売り上げランキング: 1105

数学は美しい。なぜなら、純粋な論理であり、そこには唯一の真理があり、究極の美があり、それを発見されるのを待っている。
7年間屋根裏部屋に籠り、誰にも研究を明かさず独り研究に打ち込むワイルズ。そして、証明が
できあがったとき、下に降りてきて、妻にいった一言。
「たったいまフェルマーの最終定理を証明したよ」
それ以来ぼくは数学の本を読みあさっている。
美しいもの、永遠であるもの。
人間の知力の底知れぬ力を知るとともに、どれだけ好奇心を保つことができるかが人生の豊かさを決めるとおもった。数学に終わりはない。真実を求めて、そして、それはそこにある。


「週4時間」だけ働く。


ティモシー・フェリス
青志社
売り上げランキング: 9000

最後はこれだ。週4時間だけ働く。そして旅をする。
僕が目指す生活はこれだ。
2年ほど前にこの本をよんで、衝撃をうけた。
そして、こうなると決めた。
僕のノマドはこの本からインスパイアされた時から始まった。
時間の自由を最優先して、自分がやりたいことをする。
ジョン・ミューア・トレイルに行き、七大陸最高峰に登り、バイクで世界を一周する。
夢を叶える時がきたし、できると確信した。

なのでtyk projects をたちあげて仲間とともにこれを実践していく様子を共有しようと考えました。豊かに生きよう。


記事に共感いただけましたら、tykのツイッターもフォローくださいませ!


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日本の若者の幸福度が70%ちかいという事実をどう解釈するか?

絶望の国の幸福な若者たち という本を読んでいる。かなり面白い。まだ半分くらいしか読んでいないが。その中で、早速、そのとおりと思ったのが、幸福に関する論証だ。

なぜ日本の若者はこんな不幸な状況におかれているのに、立ち上がろうとしないのですか?

この本では「なぜなら、日本の若者は実はとっても幸せだからです」という逆説を指摘している。

なんと、自分がいま幸せだと感じる若者は、高度経済成長期やバブル時期よりも顕著で、なんと失われた20年にはいってから今が幸せだと思う若者の割合は増え続け、ついに過去最高の70%に達しようというのだ。
世界幸福度*ランク1位のブータンや北朝鮮にせまろうかという数字。

これはいったいどういうことか。

この本の論証によると、将来の可能性がとざされた人は、自分が幸せだと答えるという。
これは、心理学的な効果だ。
そう答えるほかないのだ。今は幸せだが将来には不安で絶望しているというアンビバレント。
実際に、老人はもう今より将来が良くなることはないので、今の生活に満足していると答える割合が高いという。そうしないと自己肯定できないのだ。
人はもはや将来に希望が描けないときに、今は幸せだ、いまは満足だと回答するというのだ。
この単純な仕組から、経済が停滞し、未来が描けなくなればなるほど、幸せ度合いが高いと答えるひとがふえるのだ。もちろん戦争などが起こってしまえば別だが、緩やかに停滞していく限り、幸福度はましていく。このような社会では、自己肯定が流行り、自分を愛すること、ありのままの自分を認めることが大事になり、それが幸せにつながっていく。
つまりブータンなり北朝鮮の幸福度はブラフではなく、そう答えるひとが多いのは合理的理由があったのだ。

一方で、高度経済成長をしている国では、いま幸せでないと答えるひとの割合が高いという。
実際に日本の例でも、高度成長の時代には、国民の幸福度は決して高くなかった。その理由は、これも心理学的な効果である。
もっと豊かになれる将来が描けて自分もそうなれると思っているのだ。だから理想の生活にくらべると自分はまだ貧乏で、それがアンケート結果としては「生活は不満足」「まだ幸せではない(=更に上の幸せを目指す)」という結果になるという。
中国などでは、どんどん不幸せだという人が増えている。

これにある概念を加えると、もうすこし面白くなる。
リスクに背を向ける日本人という本の中で、幸せと悦びの違いについて指摘している箇所がある。

幸せとは、”状態について”の感情だという。

進化論的には、小さい集団の中でお互いに助けあって暮らしてちゃんと子供をそだてているときこれでいいんだという気持ちになるので、幸せをかんじる。
こうした意味では競争に勝つ必要はない。家族や親しい仲間で助けあう関係をつくればいい。そう考えると、まさに、経済停滞下の若者は、このようにして幸せを得ている。

一方で、幸せとはにているが、悦びという概念もあるという。
これは、達成感というものに近い概念だ。

この本の中では、大富豪と結婚し、何不自由なく子育てして、親戚や友人とお付き合いする生活は「幸福度はMAX」だが「悦びは得られにくい」という。
悦びを得るには、たとえば、論文を書いて認められたり、ビジネスを起こして成功したり、そのような達成感によるという。
人間は農民であった時代も幸福感はあった。ただ、悦びはすくなかった。
つまり、成長しない時代は幸福があり、悦びがなかった。
一方で経済が成長すると、幸せはズタズタになってしまったが、近代以降、個人が達成できる悦びや選択肢はとても多くなったという。


いま世の中で「幸福」というとき、先ほどの富豪と結婚子育て系の”幸福”と、論文がみとめられるような”悦び”を、ふたつ一緒にして、「幸福、幸せ」とよんでしまっているが、この2つは、どうやら人間の脳の別の部分を刺激するようで、呼び方はいろいろあって、男脳とか女脳とか呼び始めるアホがでそうなのは容易に想像できそうなのだが、それはさておいて、2つを分けて論証していったほうがよさそうだというのが僕の仮説だ。

(まとめ1)
幸せというのは、リスクがすくなく安らぎや安定、他人との繋がりや共感
悦びとは、達成感や力を発揮すること、他人から評価されることなど
 

(まとめ2)
経済成長 → 悦びの増大 & 幸せの減少
経済停滞  幸せの増大 & 悦びの減少

といえそうだ。
今の若者は、幸せは増大する反面、将来には絶望して悦びを見いだせていない。
いちばん自殺者がおおいといわれる中年は、いままで仕事などの悦びに幸せを見出していた一方でそれが打ち砕かれ、一方で価値観は転換できずに、幸せも得られてないということで、ダブル絶望になり、自殺者に及んでしまうのだとおもう。

(まとめ3)
ダブル絶望は自殺

ここから得られる示唆はいろいろ考えられるが、自分がどちらにより幸せ(幸せと書くとややこしい)、なんだろう、恍惚(それもだめだ)、なんだ、ようするに、えいや、経済用語をつかって、効用だ、それだ、効用を得られるのか。
自分は幸せを得たほうが効用が高いのか、悦びを得たほうが効用が高いのか、そういうのを考えるとひとつのヒントになるかもしれない

肉食系とか草食系とかそういう議論もたいがいこういうフレームで片付けられそうだ。

悦び効用が高い人は、ハイパーノマドとして、世界を駆け巡り、あくなき成長を求めよ。ただしあまりに競争が激しいので、焦燥感にかられ、燃え尽きてしまうかもしれず、どんなに頑張っても幸せを得ることができないかもしれない。

幸せ効用が高い人は、日本の豊かなインフラと先人たちの恩恵に授かり、手に触れることのできる温かい幸せを満喫しよう。ただし、将来の見通しが得られないので、時々やってくる得も言えない不安感に押しつぶされるのを、なんとかして無視していかなくていはいけない。


しかし、幸せの生き方も、悦びの生き方も、どちらかにどっぷり浸かるのはあれだとおもう。どちらかに偏りすぎると、結局心のバランスを保てない。
ではどうしていけばいいのだろうか?

止めどなくすすむグローバル化、
テクノロジー進化によるネット内の社会の出現、
この2つの現代社会の大きな潮流は、幸せ、悦び、どちらにどのように作用するのだろうか?
そして、僕らは、幸せと悦びをバランスよく享受することが可能なのだろうか?
そうだとしたら、どのような形態がありえるのだろうか?
どのような社会であれば、それが実現可能なのだろうか?

これらが僕が問いかけたいものである。

注) *幸福度というのはあくまで主観的な心理学的なものなので、客観的には図るすべがない。なので、正確には、定義できない第三者的な”幸福な若者”ではなく、”幸福だと思うとアンケートに答える人”の割合が増えているということである
 

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社員をサーフィンに行かせよう-パタゴニア創業者の経営論

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
著者:イヴォン シュイナード
東洋経済新報社(2007-03)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る



タイトルは釣りで、社員を就業時間中にサーフィンにいってもいいという人材マネジメント論ではない。内容は、もっと面白いものだ。パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードの創業物語と、経営哲学論である。
パタゴニア製品は私も愛用していて、非常に品質がよく機能的で丈夫なので満足している。ただ、この会社、ときどき、一般の人からすると理解出来ないことをしている。利益度外視で、コットンをぜんぶオーガニックに変更したりと。創業者の経営哲学に触れるうちに、そのあたりのなぜ?が氷解した。
創業者イヴォンの経営哲学は、かなり特殊ではあるが、ビジョナリーで、一貫性があり、どれもが実に感銘をうける内容だった。ビジョンで社員をリードし、ルールではなく自主性で従業員をマネジメントし、持続可能な会社を作り上げていく。日本人が抱く会社経営に対する、まさに理想中の理想が実現されているように思える。
・パタゴニアのミッションステートメントには利益を上げることには少しもふれていない。最終的な損益は、その年に成し遂げた善行の数だとみなしている。
・(品質について)パタゴニアがラガーシャツを作るなら、それを着て実際にラグビーができるものでなくてはいけない。 
・ビジネスを手段として環境危機に警鐘をならし解決にむけて努力する従来型の企業をすべて改革することはできないが、パタゴニアにオーガニックコットンしかつくらせないことはできるし、他の企業にも薦めることができる
・所有者も役員も会社のほうが自分たちより長生きするとなれば、短期の損益を超える責任があることを認識するはずだ 
・私たちにとっては共同作業が最高の形態なので、パタゴニアの文化は協調的な者を高く評価する一方で、脚光を浴びたがる者はあまり容認しない。
・ 100年後も存在する経営を目指す 
日本人のほとんどは、この本が大好きだろう。日本人が理想とする会社の姿をすべて実行しているとおもう。利益を追求せず、流行を追わず品質にこだわり、成長を追い求めず、会社の理想を実現する。本当にすばらしい理想的な姿が書かれている。
ぜひ一度読んでほしい、これぞ経営哲学だと感銘するはずだ。
ただし、ただし、である。
これをそのまま受け取ってはいけない。これらの経営哲学を理解するとき3点注意すべきことがある。おおくの日本人はこの3点を理解せず、パタゴニア経営論を額面通り受け取りがちなので、その点を指摘しておきたい

・非公開企業と公開企業の違いを理解しなくてはいけない
パタゴニアは非公開の企業だからこういうことができる、しかも創業者イヴォンによるオーナー企業だからである。オーナーの理想を実現させたのがパタゴニアであるということを忘れてはならない。
イヴォンは、パタゴニアがIPOしない理由として、IPOした瞬間に四半期ごとの急激な成長を求められ、自分がやりたくないことまでやらざる得なくなってしまうからだといっている。だから非公開企業であり続ける。公開企業が株主のために経営しているのは紛れもない事実で、パタゴニアそれがいやだから非公開企業のままなのだ。
ともすると、日本の経営論ではイヴォンのような理想を上場大企業に求めがちだ。それはおかしい。理想を追求するなら非公開で株式も理想を共にする極少数のオーナーがもつべきだ。其の区別をつけて議論することが大事だ。

・理念があれば経営が緩くてもいいわけではない

・すばらしい事ずくめのようだが、現実にはほかの大半の企業と同じく、CEOをはじめとする多くの経営幹部を外部に求めざるを得ない。どういうわけか、いまだに社内の人間を、専門的かつ複雑になる一方の成長企業ニーズにあうようにきちんと教育、指導することができないでいる。 
・30年間に6人のCEOを雇った
というように、経営に必要な専門の人材は外部にもとめている。

・労働分配率が高かったり、雇用保護があるわけではない
さらに、パタゴニアは、非常に家族的な企業だが、日本のような雇用慣習ではない。雇用がすべてに優先するわけではない。助け合いといのは、なあなあでも良いわけではなく、年功序列で雇用を保護する企業でもなく、低賃金の若い人材が50代の高賃金を支える企業でもない。
・実はパタゴニアの社員にたいする業績評価は厳しい。年功序列や定期昇給などの制度はなく、あくまで個人の達成度合いによって賃金や昇格が決まる。業績次第では賃下げや降格もありうる。
最後のイヴォンの言葉は、パタゴニアが何のために存在するのかについて的確に示している。
創業いらい、ずっと企業の責任とは何かという課題と格闘してきた。ビジネスとは実のところ誰に対して責任があるのかということに悩み、それが株主でも、顧客でも、あるいは社員でもないという結論にようやく達した。 ビジネスは(地球)資源に対して責任がある。自然保護論者のデイヴィッド・ブラウアーは「死んだ地球からはビジネスはうまれない」といった。健康は地球がなければ、株主も、顧客も、社員も存在しない。
パタゴニアの時に奇行とでもよべる経営がなぜ生まれるのかがよくわかった。パタゴニアは、イヴォン氏が地球環境を持続可能なものに保護するための活動のビーグルなのだ。だから、地球環境が優先で、そのためには社員もクビになる。日本的な意味だと、理想が高い会社は社員も大切にして、なんとしても社員を守るが、パタゴニアはそうではなさそうだ。
こういう価値観は、日本人は勘違いして捉えてしまいがちだ。面白い価値観なのだが、取り入れるのにはよくよく理解してからのほうがいいだろう。

おすすめ度
★★★★

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確かに生きる 野口健の生き方


アルピニスト野口健のエッセイ本。
山登りの手記というより、生い立ちや、父と母のこと、落ちこぼれから這い上がったこと、橋本龍太郎氏との出会いといったことがいろいろ書かれている。
印象にのこったのが、野口氏の大学受験のエピソードだ。野口氏は本当に成績がわるかったらしい。野口氏は一芸一能入試で亜細亜大学に入学するのだが、その面接がすごかったようだ。
一芸一能入試では、けん玉日本一や、和太鼓などいろいろ分野のトップのひとがあつまってきてアピールする。そんななか、野口氏は当時キリマンジャロとモンブランに登ったくらいで、登山といってもたいしたことがない。なにも一番のものなど持ってなかったのだ。
しかし、入試で他の受験生の発表を聞きながら自分の順番をまっていると、野口氏は気づく。他の人は自己PRとして日本一になったとか、怪我をしても頑張ったとかたしかに素晴らしいことをいっているが、ひとつだけ抜けていることに気づく。皆、過去の実績ばかりアピールしていて、大学にはいったら何をするかという公約がないのだ。
教授は最初はすごいねときいていたが、途中から飽きている。
そこで野口氏は、急遽作戦を変更し、紙とペンをとりだし、そこに年号を書きながら、1992年亜細亜大学入学・・・93年マッキンリー登頂・・・96年エベレスト世界最年少記録・・・とプランを説明しはじめたのだ。
「僕の過去に実績はありません。過去はありませんが、もし僕が亜細亜大学に入学できましたら、七大陸最高峰に登頂します。先の可能性にかけてください。僕が挫折したら責任をとって大学を中退します」
教授たちの意見は、別れたそうだ。あいつはヤルに違いないと、あいつはペテンだ。結局、あいつはヤルにちがいないという方に教授たちはかけた。そしてその賭けは大当たりしたのだ。
一芸一能入試で入学したNo1たちがいま何をしているのかしらないが、入学時になにも実績のなかった野口氏は今では亜細亜大学で教えている。
日本の大学は入るのが困難、でるのは楽といわれる。日本人は、大学入試の時に人生の絶頂を迎えてしまうのか。就職活動もしかり。商社などの人気就職先に入ることが目的で、入った瞬間が人生のピークだということもありえなくもない。入った後何をするのか、人生何をするのか、そちらのほうがよっぽど大事だ。当たり前のことを思い返させてくれるエピソードだ。
野口氏の生き方は、なんというか、豪快、まっすぐで、そのストレートさに心を打たれる。野口氏がこれだけ多くの人に愛される訳がわかった。
野口氏より困難な登山をする人は何人もいるし、野口氏の最年少登頂記録をやぶった日本人もいるが、野口氏は自分の活動を通して伝えたいものがぶれない。だからこれからも人々の心を掴みつづけるだろう。
お勧め ★★★★

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代替医療のトリック

代替医療のトリック代替医療のトリック
著者:サイモン シン
新潮社(2010-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

サイエンスライターとして、数々のベストセラーをたたき出しているサイモン・シンの新作。遅ればせながら読了。
いままでは、「フェルマーの最終定理」「暗号解読」「ビックバン」という数学・物理テーマだったが、今作は医療がテーマ。
代替治療という非常に闇が深いテーマに切り込んでいる。



前作までは、テーマに関連する歴史を掘り下げながらのドラマティックな語り口が印象的だったが、これはうってかわって、事実をベースに批判的な啓蒙書といったところか。
徹底的リサーチをもとに、代替治療の問題点を的確に指摘した本といえよう。
著者のこの問題に関する意気込みが伝わる。

なかでもホメオパシーに関する指摘が面白い。
ホメオパシーでつかわれる30Cというレメディ(薬)は、もとの成分を100の30乗にうすめたものだとか。100の30乗というのは、10の60乗。つまり、1のあとにゼロが60個つづく薄め方だというものだ。これは、一滴の薬を地球上に存在するすべての海水に薄めたよりもはるかに薄い。レメディのなかに有効成分が、ただの1分子たりとも存在してないのは明らかだ。
ただの水と同じもので、病気を治療しようとするのだから、効果がないのは明らかである。

その他、カイロプラクティック、鍼療法についての効果も詳細に検討している。ハーブ療法については、予期せぬ副作用についての注目すべき警告がある。

本書の結論として、ほとんどのあらゆる代替治療はプラセボ効果以上のものはなく、通常医療とくらべて選択するものではないという結論になっている。

問題は、なぜそれなのに代替治療を選ぶひとが少なくないのか、そこにあるはずだ。
著者はその理由について、本書では踏み込んでないが、私なりの考えがある。

思うに、医療とは、まさに医療だけであって、癒しや、心の問題をあつかってない。医者は、身体を直すことはできても、患者の心を癒すことはできない。そこに代替治療が広がる隙間がのこっている。

代替治療は、逆に言えば体を直す医療効果はない。しかしながら、体を直すことができなくても、心を癒すことができる。ほとんどの代替治療のセラピストは、患者に対して心温まる対応をする。

医療の範疇でないことについて、なにか他のもの例えば信仰などがケアするのが本来なのだろうが、現代社会は医療の範疇でないことがらまでも医療の責任におわせる。そこの根本的問題があるようにおもえてならない。

患者はどうしても心のケアまでも医者にもとめてしまう。医者は心のケアは仕事ではないと考えている。とりわけ日本では、確固たる信仰を持つ人がすくないため、心のケアの部分を、すくなからず医師に求めがちなのかもしれない。医療と信仰の問題がクロスオーバーしてしまう領域に代替治療がある。

著者が主にとりあげているのは英国での事情で、英国ではすくなからずキリスト教的バックグラウンドがあるので、信仰による心のケアがあるはずだが、それでも多くの代替治療が信仰的につかわれている。それほど根が深い問題だということだ。

代替治療についての正しい知識を得るとともに、現代の医療と心のケアの問題に関心を抱かせるという意味で、基礎となる必読書だろう。

お勧め★★★★

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スリーパーを競り落とせ! 眠れる名画

眠れる名画―スリーパーを競り落とせ!眠れる名画―スリーパーを競り落とせ!
著者:フィリップ モウルド
文藝春秋(1996-09)
販売元:Amazon.co.jp





ひさしぶりにわくわくする本を読んだ。
この本の主題のスリーパーとは、なまえの通り眠っている名画のことである。
長い年月の間に行方不明になり、作者不詳とされて、本来の価値の何十分の一で取引されている絵画のことである。
腕利きのアート・ディーラーが、これらの名画を見抜き、自分のリスクで購入し、本物である事を証明して、高く売り払う。ダイナミックな話である。


クレメンス7世の石版にかかれた肖像画は、わずか180ポンドでオークションで落札された。
余りに汚れていて、作者も特定できなかったからだ。
しかし、読み通り、これがルネッサンスの画家デル・ピオンボのものと証明される。
絵画は半年後に再度オークションにかけられ、38万ポンドで売却される。

なんといっても印象深いエピソードが、チューダー朝の皇太子、アーサーの物語だ。
アーサー皇太子は、英国の歴史上誰もが知っているほどの有名な人物だが、わずか15歳で没してしまう。その皇太子の肖像画が1枚も世の中に存在していなかったというのだ。
そこに出てきた、アーサーを描いたものだという1枚の絵。
これは本物だろうか?
王室の記録を辿り肖像画の来歴を特定していくさまは推理小説だ。後から変更が加えられた部分や、継ぎ接ぎなどを取り除きつつ絵が本来の姿を取り戻す過程は、心踊らせる。

アダム・エルスハイマーの祭壇画は7つの部分からなるが、バラバラに行方不明になり、1つとして見つからなかった。
それがあるきっかけから、ひとつひとつと発見され、ついには7つのピースがそろい、祭壇画が完成されて、もとの場所に戻った。とても不思議な話だ。

画商の仕事ぶりや、オークションの裏側などについても面白く読めるが、美術にあまり興味がないひとでも、人間ドラマにあふれる一連のストーリーは、ドキュメンタリーとして読む価値がある本である。

なお、この本を元にしてNHKがドキュメンタリーをつくったようだ。
NHKオンデマンドで閲覧できるので、リンクを張っておきたい。
アーサー皇太子の話はこのドキュメンタリーでも扱っているので、本を読む余裕のないひとはこちらを見るといいだろう。



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