2016年のアートコレクション振り返り

さて、毎年恒例の記事になっています、今年のコレクションの振り返りをしてみます。

2016年は、新たに17点がコレクションに追加されました。技法による内訳は以下のとおりです。

  • 写真 6点(うち4枚組が1点、64枚組が1点を含む)
  • ビデオ 4点
  • 立体 2点
  • ペインティング 1点
  • ドローイング 3点
  • 書 1点

です。再び若手の作家にフォーカスし、ビデオ作品や立体作品などを中心に購入しましたのが特徴です。とりわけ、山田周平さんの代表作となるであろう写真64点組を購入しました。海外の作家もフェアなどでぼちぼち買っています。

コレクションした作家は、下記になります。

Zoncy、丹羽良徳、山田周平、毛利悠子、西村雄輔、糸川ゆりえ、後藤靖香、寬雲(Kuan Yun)、潘逸舟(Ishu Han)

画像付きで紹介します。

Zoncy 


Unkown Woman シリーズより4点購入。ミャンマーの若手女性アーティストです。シンガポールのフェアで購入しました。帰国日の午前中にもう一回だけ見に行こうと会場を冷やかしたところ、見逃していたこれを発見。素晴らしいと思い、数時間後に飛行機なので即購入しました。

ミャンマーの名もない女性たちと、彼女たちが作っていく未来など、ミャンマーという国が置かれている状況をよく反映した作品でした。

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丹羽良徳

自宅のゴミをサンフランシスコのゴミ捨て場に捨てにいく
2006 パフォーマンス ヴィデオ17’33min

丹羽さんは相当昔に、清澄のギャラリーで見た短い映像作品が印象に残っていて、その後もいくつか作品を見る機会がありました。ずっとずっと気になっていたのですが、タイミングがつかめずコレクションできていませんでした。

今回は、丹羽さんのスタジオを訪れ、多くの作品を解説してもらいながら、彼のコンセプトや、表現の意図などを深く聞き、そのユニークな視点や、斜め上からのパフォーマンスなど、私のハートを鷲掴みしました。

2点購入させていただきました。「自宅のゴミをサンフランシスコのゴミ捨て場に捨てに行く」は、その名のとおり自宅のゴミをサンフランシスコのゴミ捨て場に捨ていくというだけのナンセンスな作品です。笑えます。

もうひとつは「水たまりAを水たまりBに移しかえる」というものです。いずれも初期の作品で、ナンセンスなパフォーマンスでありながら作品は社会との接点を持ち、社会の体制、人々の関わりや、国境やアイデンティティといった普遍的なテーマに、深い疑問を投げかけています。

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(作品画像は丹羽氏HPより)

山田周平 Kamikaze

山田さんは、GEISAIで作品を拝見し、実力のある方だと思いその場で作品を購入、それ以来ずっと注目しており、近年は海外でも作品を発表したり、活躍がめざましいです。今回は、再コレクションとして、こちらのKAMIKAZEの作品のほか、グレゴリー・ベックをモチーフにした4点組の写真作品と合わせて購入しました。

KAMIKAZEは64点組の写真作品です。山田さんは、画像加工ですでにあるものを消す手法で知られます。そこにあったはずのモノの存在感を消して、それにより一層その背後の本質を浮かび上がらせます。Kamikazeの作品は、米軍が撮影した日本の特攻機による自爆シーンの写真を加工したものです。本来すべての写真に、特攻機と、米軍の艦船が写っているのですが、そのすべてを消してしまい、背景の海と空だけになっています。

山田さんの代表作となるであろうこの作品をコレクションできたのは嬉しい限りで、いずれ64点をすべて同時に展示する機会を得たいものです。

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(画像は山田氏HPより)

西村雄輔 対話するために

再コレクションです。ハエ取り壺に、はちみつを入れた作品で、これが設置されている場所と時間を、はちみつが記録していきます。はちみつには虫が入ったりするらしいですが、それも含めて、記録がされます。はちみつは腐らず何十年もこの状態で展示できるとか。

ミニマルな作品で、とても緊張感があり、コンセプトも気に入り、昨年に続いての再度コレクションです。昨年はこの作品も買おうとおもったのですが、売り切れてしまい買えずに残念な思いをしました。再度制作されたとのことでこのたびコレクション入りです。

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毛利悠子 Urban Mining

毛利さんもずっと良いなぁとおもっていましたが、コレクションしておらず、いずれと思っていたら、あれよあれよという間に活躍の幅をひろげて、とくに昨年は展示からなにから目白押し。

これは買えなくなってしまうぞ!と慌てておりましたところですが、今回とても気に入った作品に巡りあい、コレクションさせていただきました。

(画像が見つからず、すいません)

糸川ゆりえ 鉢植えと女 2014

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糸川さんの大作ペインティングです。今年買ったペインティングはこれ一枚。えー他の目的でいきましたギャラリーで、横にあるのを見せてもらい、その場で気に入りまして、衝動買いさせていただいた次第です。写真では伝わりにくいのですが、全体にシルバーのような感じの絵の具を使っていて、独特の感じがします。

力強く、かつ繊細で綺麗で、大きなペインティングがとても良い。引き続き注目させしたい作家です。好みです。1/7より児玉画廊で個展なので、ぜひみなさんも見に行ってください。

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後藤靖香 Untitled

強烈な個性を放つ後藤さんの作品。もちろん前から知っていたものの、「戦争画だよね」という思い込みがあってスルーしていたのですが、六本木クロッシングで現物を多く拝見し、まったくの浅はかだった自分を恥じる始末。

ほとばしるように力強い線は、見る人を圧倒させる力があり、モチーフは戦時中の兵士といったもののように思えますが、表現しているものは違って、作家のとても深いところから湧き出した別のものであることを感じました。ということですかさずコレクションした次第。ドローイングを3点購入しました。

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(画像はギャラリータグボートより)

 

寬雲(Kuan Yun)

アート台北で購入。これは何かといわれると書なのですが、抽象的な図形としてもかっこいい感じに書かれています。寬雲は、台湾のアートギャラリー、Aura Galleryのオーナーらしい?です。

オーナーが「書」を書いて、しかも自分のギャラリーのブースで販売?というのは実に謎でしたが、作品が素晴らしく、価格も安かったので、衝動買いして持ち帰りました。

内容は15の願いというものらしく、仏教の願いなのでしょうか、極楽浄土に行きたいとか、そういうのが書かれています。

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潘逸舟(Ishu Han) 

隣り合う記憶 Video 6 min 35 sec

2016年の最後にコレクションに加わったのは藩逸舟さんの作品です。尖閣諸島を対岸に眺める観光客と、潮が満ち島が沈んで行き客も去っていく様子。白黒の静かな映像で、なんとも味わい深いです。(※実際の尖閣諸島は海岸から見えないのでフィクションです)

藩さんは、友人のコレクターがキュレーションした、Nuclear Unclear 展で見て逸材とおもいました。そちらの展示では、「ポップコーン」という原爆をポップコーンに見立てて食べるという作品が展示されておりました。原爆というステレオタイプでチープになりがちな題材を、華麗に切るセンスと、表現の面白さに注目しました。ご本人ともお話して、とても現代的な視点の持ち主だと思います。過去の作品含めて一通りすべて拝見させていただき、こちらの隣り合う記憶とポップコーンの2点をコレクションに加えさせていただきました。

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(画像は藩氏HPより)

最後に

以上になります。今年ですが、引き続き、若手の有望な方の作品を中心に、技法問わずコレクションしたいとおもいます。来年もより多くの作品に触れて、見聞を広め、同世代のコレクションとして価値あるものを作って行きたく思う所存です。また機会があればどこかでコレクション展もできたら良いなと思ってます。

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