川内原発の停止で九州電力の企業価値は本当にあがるのか?

川内原発を止めれば、九州電力の企業価値が上がるので、予防的に止めるべきだという話がでている。

これは本当だろうか。原理原則に立ち戻り、単純な議論をしてみたいとおもう。

企業価値というのは、株式の時価総額のことである[※1]。

株式の価値というのは、一般に、将来のキャッシュフローの合計を現在価値に割り引いたものだといえる。

企業価値が上がるというのは、2つのケースが考えられる

・将来キャッシュフローが増える

・割引率(ディスカウントレート)がさがる

この2つのどちらかであると考えられる。

川内原発の停止はどちらに影響するだろうか。

キャッシュフロー的には明らかなマイナスだ。原発を止めても維持にかかるコストは変わらず、火力などの発電費用が増えるだけだからだ。よって、キャッシュフローの観点からいったら間違いなくマイナスだ。

一方、ディスカウントレートはどうだろうか。確かに不測の事態が減り、賠償リスクなども低減するので、キャッシュフローの確実性は増すだろう。つまり、ディスカウントレートが下がる。この点では、企業価値を押し上げる。(この手の不確実性リスクはディスカウントレートに反映されるのが一般的である[※2])

結局、

・原発停止によるキャッシュ・フロー減を、

・不測事態が減ることによる、ディスカウントレートの向上

が上回れば、企業価値は上がる。

以上がロジックである。

なお、実際の株価を見ると、市場はキャッシュフローのほうを重視していると考えられる。

[※1] 99.9999%の人はこれに合意するだろうが、企業価値というのを別の形而上学的な価値をあらわす言葉として捉えているひともいるかもしれない。

[※2] もしくは、賠償額を将来のキャッシュフローから、あらかじめ差し引いて計算しておく方法もある)

 

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