カレンダーニューイヤー(新暦)の1月1日を祝う国民は日本だけ。100年くらい前に制定されたような恣意的な制度を伝統だと思っているバカバカしさ

「(大石さんの住んでいる)ベトナムでは、もう正月ムードですか?」

「正月は2月ですよ。今日は普通の日です」

「え?あ、そうか、旧正月というやつですか。珍しいですね」

こういうやり取りが何度も繰り返される。

日本人にとって、正月は新暦(グレゴリオ暦)の1月1日のことである。

これが世界標準だと日本人は間違いなく思っていて、旧正月を行う中国やベトナムを、珍しいといったように捉えているのが一般的な味方だろう。

しかし、まったくの反対で、新暦の1月1日(カレンダー・ニューイヤー)を盛大に祝う文化は、唯一、日本だけであろう。壮大なガラパゴスになっている。

カレンダー・ニュー・イヤーの1月1日を元旦としているのは、これは日本の伝統ではない。日本でも江戸時代までは旧暦をつかっており、元旦とつまり旧暦の1月1日のことであった。

旧暦では元旦は、およそ2月のはじめから中旬ごろにかけてやってくる。最も寒い時期が過ぎ、春がやってくる、そのような一年の始まりを、元旦としているわけだ。

しかし、日本は明治政府になって、こともあろうか、元旦を、カレンダー・ニュー・イヤーの1月1日に移動させてしまった。冬のまっただ中を元旦としてしまったのだ。単に、カレンダー・ニュー・イヤーの1月1日を、そのまま元旦と定めてしまった。

他の東アジアの国(中国、韓国、ベトナム、カンボジア、シンガポールなど)は、いまでも旧暦の1月1日を元旦としている。日本だけがカレンダー・ニュー・イヤーをつかっている。

要するに、カレンダー・ニュー・イヤーの1月1日を祝う国は、東アジアで日本だけである。

一方、東アジア圏以外はどうか?北米や南米、ヨーロッパなどの、キリスト教圏はクリスマスが最大の祝い事であって、元旦は関係ない。他のアジアのイスラム圏や中東では、元旦はまったく意味をなしていない。これらの文化圏では、カレンダー上の1月1日は、ホリデーにはなっていて休みではあるが、普通は1月2日から仕事である。

となると、アジア圏でも、キリスト教圏でも、イスラム圏でも、新暦1月1日は祝わない。たんなるたんなるカレンダー・ニュー・イヤーであって、年が変わるというだけの意味である。

しかし、こういう奇習も明治以降100年以上続くと、定着している。

日本において最も大事なイベントである元旦すら、恣意的にずらしてしまっても、100年もすればそれが伝統だとみんな思ってしまうわけだから、なんだって変えられるということなのだろう。

言いたいことは、

「正月の伝統を勘違いしてるのは日本人だけ」という事実を知って反省しなさい、ということとがひとつ。もうひとつは、

「日本では(氏など)制度を変えようとするとき、凄い抵抗の壁にぶち当たるが、大概は100年くらい前に制定されたような恣意的な制度を伝統だと思っている(元旦がその好例)」ということ。

まったくバカバカしい話が、元旦の話に詰まっているというわけだ。

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