定番スキルと認知バイアス

表紙2

15年、20年たっても役に立ち続けるスキルってなんだろうというのが、ここのところのテーマで、それを掘り下げてみて、先日「コンサル一年目が学ぶこと」という本にまとめた。

これは、元コンサルのひとにインタビューして、15年、20年たっても役に立つ1年めのスキルを教えてくれといって、そのスキルを30ピックアップしたものだ。

元コンサルのひとは、会社を創業し上場させたひとや、大学の教授や、衆議院議員や、ファームのパートナーなど、いろんなひとに聞いた。職種もやってることも違うが、それでもなにが大事な基礎スキルなのか、といことを聞いた。

その結果は、ある意味では予想を裏切っていて、最新の経営理論や、カッコイイフレームワークなど、そんな感じでコンサルで学ぶことは、たいして役立たないということだった。

目新しいスキルのリストも提示したけれども、みんなそれはたいして役には立たないという結論だった。役に立つのは、基本のスキルなのだ。

それよりも、期待値のコントロールや、仮説思考や、プロフェッショナルとしての立ちふるまいといったことが大事だという結論である。いずれも目新しい物ではない。

その事実を曲げるわけにはいかないので、本書でかいた30のスキルは、目新しいことは取り上げず、基本の基本に絞ってある。

しかしそこに矛盾があって、基本のスキルは、過去にも解説がされており、目新しいノート術や整理法などとは違って、おなじみの物も多い。

なので、ふたを開けてみると、「なんだ、それ知っているよ」というものも多い。たとえば、私がこの本であげている30のスキルは、ビジネス書マニアなら、ぜんぶお馴染みのものだろう。

しかし、これは認知バイアスである。

ノーベル経済学賞のカーネマンが指摘するように、人間は、答えにくい問題を、簡単な問題に置き換えて解くという心理作用がある。

たとえば、次の2つを、人間の脳は同じものに錯覚する

・仮説思考について、「何度もきいて知っている」

・仮説思考が実際に見についていて出来るようになっている

この2つは全く別のものだ。だが、人間の脳は、後者の代わりに、前者ですまそうとする。

「それはすでに身につけている」というのを、「それはすでに聞いたことがある」というのに置き換えてしまう。

実際に、身についているかをとうと、殆どの人は身についていない。ただ、たくさん話しを聞くので、身についたと錯覚しているにすぎない。

ビジネス書を多読する人ほどその傾向にある。知っていることと、自分が使えるようになっていることを錯覚してしまう。その結果、基本ができていないのに基本事項はスルーして、最新の目新しい物を追いかけてしまう。

本書はそういう意味で言うと、流行を追わない路線である。15年たっても20年たっても、業界問わずに、役に立ちづつけるスキルは、ベーシックなものである。

本書では、元コンサルたちが、なぜそのスキルを挙げたのか、なぜそれが15年後も大事なのか、ということを納得できるように書いた。そしてそのスキルを学ぶには、1年めにどうしたらいいのかということを書いたつもりだ。流行のスキルを追うより、それらを知るほうが、価値が有るだろう。

紀伊國屋豊洲2

【ノマド研究所5期会員募集のお知らせ】人生は短いです。あーやりたい事があるのに、何か思い切って一歩を踏み出せない自分にいらいらする、もっと自由に生き見たいのに。ノマド研は、ノマド的な生き方を志向するひと、ノマド的な生き方を実践するひとのネットワークです。400名以上の価値観のちかいメンバーと一緒に語らいましょう。⇒ご案内