今後の日本に必要なのは「看護師型のホワイト低~中賃金ジョブ」

看護師紹介ビジネス過熱 金券で勧誘、強引なケースも(http://www.asahi.com/articles/ASFDM513BFDMUUPI001.html)

とあるが、たしかに人材紹介業においては看護師市場というのはとても美味しい。というか、日本で、労働の流動化がこれだけ進んでいる職種は看護師以外にはあまりなく、人材の市場が機能してい証拠だ。(看護師が不足しているという失政の話はまた別の話。ここでは流動性)

看護師の人材市場の特徴というのは次のようなものがある。

・職能主義

看護師という資格が基準になっているので、資格があり、仕事ができることを基準に採用がされている。年齢や、男女の区別といった要因がなく、公平だ。

・キャリア分断に強い

職能が基準なので、出産や子育て介護などの要因で、看護師の仕事をはなれても復帰が容易だ。勉強のために留学を挟んだり、疲れたので半年休むといったことも可能で、それでも容易に再就職できる。

・やりなおしキャリアが受け入れられる

同じく、職能が基準なので、看護師資格があればよく、新卒でないとダメということはない。キャリアの途中で看護学校に入り直し卒業したひとでも、看護師として働ける可能性が強い。

・流動性がある

仕事が標準化されているので、極端な話、1日単位の契約でもすぐ働くことができる。病院や医療施設の数も多く、この2つの要因により極めて流動性がたかい。

看護師の離職率は、平均10.7%で、それなりに高いといえるが、離職率が高いというのがそのままデメリットになっているわけではない。

・十分な給与

看護師の平均給与は471万円*と、日本の民間給与平均402万円*2を上回る。平均労働時間も月167時間(一日8.3時間)で所定の労働時間内にほぼ収まる(夜勤などが多い病院はあり、個別事情はあるにしても)

・年功ではない(定期昇給がない)

 職能が基準ということは、逆に言うと、年齢などに関係なく、看護師という職能にたいして給与がはらわれるということだ。なので、もちろん長く勤務すれば病院内で看護師長などに出世すれば、給与は上がるが、これもどちからというとポジションに対してはらわれるもので、年功的なものではない。

このような特徴は、これからの日本で必要とされるシゴトの特徴をよくあらわしている。

御存知の通り、日本では長らく男性がはたらき女性は子育て、子供が二人、それを賄うことができるように、給与が年齢と共に上がるというモデルを採用してきた。未だに日本の政府がモデルとする標準家庭というのは、年収700-800万円の男性に専業主婦、子供二人というのをモデルだ。

しかし、若年世代では、このような標準家庭を望める家庭のほうが少なく、もはや標準というより「理想家庭」に近くなっている。

このような中では、看護師のような、流動性があり、職能主義で、キャリアの分断ややり直しがきくというのが大事だ。その代わりに、年功の賃金を廃して、職能やポジションできまった給与を払う。勤続年数によって賃金があがらない代わりに、流動性があり、キャリア分断ややり直しでも、ちゃんとした給与がはらわれる。

このようなモデルを、「年収300万、残業なし、定期昇給なしはホワイトか?ホワイト300ジョブの提案」として提案したことがあるが、看護師はこのモデルにかなり近い。

いまの日本に必要なのは、新卒で正社員で長期雇用が得られる人が年収1000万円に達し、途中で辞めたり就職出来なかった人は200万円の非正規という、二極化ワールドではない。残業なし、定期昇給なしで、中くらいの年収がえられるような、職能型の低~中賃金ジョブが求められている。

*http://nensyu-labo.com/sikaku_kangosi.htm

*2 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2602S_X20C13A9CR8000/

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