グローバル嫌いなあなたが陥りやすい、空想型アンチグローバルという罠

グローバル煽りと、アンチグローバル宣言が一巡して、落ち着いてしばらくしたところで、まとめて思ったことを書きます。

「べつにグローバル人材になんてならなくてよい。日本で生きれば十分」

というスタンスもあるとおもいます。

しかし、よく分析すると、このアンチグローバルなスタンスも2つあるんですね。そして、その2つのスタンスは決定的に違うのです。ひとつは生き残れるけど、もうひとつは食えなくなります。

①空想型アンチグローバル

最初のスタンスは、グローバル化にたいして、単にアンチの姿勢をとるようなものです。

こういうひとはとにかくグローバル化が嫌いです。ハーバードがなんだ、日本にだっていいところがある。海外が面白いっていったて、日本で同じことができないこともない。

要するに、いまの現状を変えたくないのです。現状そのままで、日本にいて暮らせて、競争とかに無縁で、いままでどおりに安心して生活したいのです。

もちろんそういう「願望」はわかります。でも私はそうならないとおもいます。

これは「空想アンチグローバル」です。非武装中立をつらぬけば戦争に巻き込まれない、という社会党の論法と一緒です。グローバル化や競争といったものを取り入れたり、かかわらなければ、自分たちはそれとは無縁でいられる。そういう発想なのだとおもいます。

②ニッチ戦略型アンチグローバル

自分は英語も喋れないし米国にMBA留学もできないし、シンガポールに住むこともできないとおもう。自分は日本でやっていくしかない。グローバルな世界で活躍なんてできません。

ここまでは一緒。しかし次が、違う。

日本でしか行きていけないのだから、徹底的に日本で生き残るやり方を考えないと、グローバル人材にくわれてしまう。という危機感です。

グローバル化に飲み込まれそうな分野を避けたり、日本人や日本語の障壁を上手く遣った商売をしたり。徹底的に日本人をターゲットに商売したり。そして皆と同じことをやるのではなく、徹底的にニッチをねらったり、ベタに人に接するような商売をしたり。そこはグローバルとは関係ない。

つまり、グローバルと関係ない、商売で、勝ち残るという方向性です。

ある意味私のやってることがそうです。私自身はグローバルマッチョな人材ではありません。英語はネイティブでぺらぺらではありませんし、MBAだってもってません。

商売としては、日本人向けに本を書いているというのがそうなので、実にドメスティックです。でも、日本の中でこれから皆が関心を向けそうなことに絞って、ニッチながらに強くなろうとしているし、サロンや電子出版など新しい試みもしていて、チャレンジしていないわけではありません。

グローバル大企業やグローバルな競争と同じ土俵では勝てないけれども、彼らに侵食されない自分なりの市場をみつけて、そこで価値をだしていく。グローバルに対するニッチ戦略です。

うさみのりやさんのアンチグローバルマッチョ宣言は、グローバルマッチョにアンチの旗を掲げたという意味でとてもおもしろいものでした。しかしこれを誤読するひとがでてくるとまずいとおもいます。

うさみ氏も、グローバル競争に乗るというのではなく、自分のやりたいことなどの道をきわめて、ニッチでもいいから、独自の価値を提供してくことが大事だと言っています。

「グローバルにつながっている市場と向き合う」という行為こそがグローバルなんです。(同ブログ)

そして、うさみ氏は、動画サイトなんかは世界中のひとが見る一つのグローバル市場だが、そこでは日本的なニッチな動画も受けていてたくさんのPVをあつめている。と指摘しています。

うさみ氏のアンチグローバル宣言を読み解くとき、この言葉の部分を理解しておくことが大事だと思います。これを抜かして、単にアンチグローバルの部分だけを読み取ると、空想アンチグローバルになりかねません。

たとえば、外食チェーンで、マクドナルドやスターバックスの世界はグローバルです。彼らが、町にやってきて、街の飲食店を駆逐するというグローバル化。これに対して、グローバル反対、スターバックスは出て行けて旗をあげて、あいかわらずのまずいコーヒーを高い値段で出し続ける珈琲屋を経営して、最後は潰れてしまうのが空想型アンチグローバルです。

ダイエー vs 街の商店街みたいな、むかしの大店法みたいな話しが、グローバル vs 日本でやられているようなもんです。

ニッチに生き残るというのは、ラーメン二郎みたいなものです。あれはグローバルとは無縁です。しかし、外国人にも次郎は大受けです。ちなみにすきやばし次郎も外国人に大受けです。

私は、全員がグローバル化して、グローバル大企業で、インド人や中国人と伍して戦えとはいいませんし、出来る人も志すひともかぎられるでしょう。

でも、ラーメン二郎をめざしましょうよ。そして個人がラーメン二郎的なものを目指す道は、twitterやブログ、ソーシャルメディアなどによって、格段にやりやすくなったのですから。

ps. そうすると、ニッチをめざすといっても、それも結局はある種の強者でないかという話しがでてくる。じゃあグローバルでも国内でも強者になれない、ごくごく普通のひとがそれなりに暮らすにはどうすればいいんだ、ということになる。私は、国内で、ごくごく普通の人が、いままでどおりの頭のOSと生活習慣で、今後も40年、幸せに暮らすのはムリだと思う。

なので、ごく普通のひとこそ、海外市場というエスカレーターにのるというのも手だという話を繰り返ししている。これは海外とつくので、グローバルマッチョと混同されるけれども、そうではない。

 そして、日本に住む極普通のひとが普通にくらせるのは、日本の主要企業が勝ち続けてきたおかげだったかもしれない。つまり、極めて逆説的だが、グローバル化できず、現状もかえられない多くのひとにとって、日本発のグローバルマッチョがグローバル市場で戦って、戦果をもちかえってくれなければ、彼らが困ってしまうかもしれない。グローバルマッチョを批判しているどころではなく、グローバルマッチョを多数生み出して彼らに稼いでもらうということが必要なのかもしれない。

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