直感に反する確率の話。

直感に反する確率の話です。

【問い】

ある疾患があります。その疾患は先天的に100万人に1人に発生するというもので、ある特定の遺伝子の異常がその原因だということがわかっています。

遺伝子診断の進歩により、その遺伝子の異常を確かめる方法が開発されました。そのテストをすると、99.99%という高精度で遺伝子の異常のありなしを確かめることができます。

ある人が、このテストを受けました。

結果は、陽性となりました。

この人はどれほど深刻に考えればいいのでしょうか? というのがこの問いです。

——-99.99%で病気を発病するのでしょうか?

——-もう悲観的になるしかないのでしょうか?

——-しかし、確率論が計算する、その答えは、きわめて直感に反しています。

——-計算できるひとは、ためしに計算してみてください

——-答はつづきを見るで

<答え>

なんと、この人が本当に遺伝子異常である確率は、約1%にすぎません。

信じられないかもしれませんが、確率論はそのように答えています。

その理由を簡単に説明します。

本当に遺伝子異常をもつひとは、100万人に1人。のこりの99万9999人は正常です。

このサンプル全員に同様にテストをしてみると、このような結果になります。

<遺伝子異常のあるひとが陽性になる場合>

1人 x 99.99% = 0.9999

<遺伝子異常のない人が、まちがって陽性となってしまう場合>

99万9999人 x 0.01% = 99.9999

つまり、99.9999名もの誤診を生むということです。

これを最終的な確率に計算にいれます。

<陽性と診断されたあるひとが、ほんとうに遺伝子異常をもつ確率>

0.9999 / (0.9999+99.9999)

= 0.0099

=1%

 確率というのは、ときに非常に直感に反するものです。

世の中では、とてもあいまいないみで、何%だといった情報が錯綜しています。精度99.99%の診断で黒がでたといえば、その解釈する意味は、つまり黒といったものでしょう。しかし、前提条件を追うと、まったくもってそうではない。

多くのひとは間違った思い込みのもとに間違った判断を下してしまうかもしれない。

最近統計の本がよく売れているみたいです。

直感に反することでも統計的に見れば違うことがあって、その場合、冷静に統計にしたがって意思決定することもできます。

しかし世間の捉え方はまたちょっと違う。自分の直感にあう統計は受け入れ、そうでないものは受け入れない。人間の意思決定はどこまでいっても、合理的ではないのです。

そういうのが人間というものなのですが、直感とはあわない統計事実を理解して意思決定できるひともいて、ファンドマネージャーなどは、世の中99%が白だといっても、事実をみて事実がクロなら、クロという人です。そういった人がいま世界の富をたくさん手に入れるという時代です。

統計脳があるひとが、ないひとから合法的な搾取をしているのです。

こういう仕組みは、たくさんあります。年金、パチンコ、競馬、・・・・・。考えてみましょうね。

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