総ばかばかし総しらけの社会

背景はそれぞれに違うが、いま、すべての世代、すべての所得層で、ばかばかしさが広がっている。それを、僕は、総ばかばかしい、総しらけ、の社会がやってきたと思っている。
閉塞感から一歩進んで、ばかばかしさと、しらけ、が世の中を覆い始めた。

■所得の高い人(所得税率43%を食らう人)

増税が決まりそうだ。
世界でも高い所得税が更に高くなる。

これを見て欲しい、これが日本の所得税の表である。



課税所得1800万以上は住民税10%をいれて、税金が50%である。
しかし、1800万も稼がねーよ、というひとが殆んどなのであまり世間の怒りを買っていないのだが、課税所得1800万というのは、世界的には、会社を起こしたり、企業で役員まで出世するなどして、「苦労に苦労を重ねた結果のご褒美」としては、ささやかなレベルの報酬なのだ。
ようやく頑張ってこの金額を稼げるようになったと思ったら、税率50%である。


課税される所得金額所得税率+住民税10%
195万円以下5%15%
195万円を超え 330万円以下10%20%
330万円を超え 695万円以下20%30%
695万円を超え 900万円以下23%33%
900万円を超え 1,800万円以下33%43%
1,800万円超40%50%
1800万と言わず、さらに下もみてほしい。


これを見るとわかるように、課税所得900万のところで、いきなり税率が33→43%と10%もあがる。33%と43%の違いはかなり大きい。いきなり、ものすごい重税感を感じる。
いくら稼いでも、ちっとも手取りが増えないという感触を得ることになる。ほとんど休みなく熾烈な競争を勝ち抜いてきて、ようやく年俸の上昇カーブが高くなったところで、43%の税金が来るとそれ以上働く気をなくす。

もう、余りにばかばかしいので、海外にいこうと皆かんがえる。税率の低い国に行けば、手取りが全然ちがってくる。シンガポールなどは2000万くらいまでは実際は税率10%程度である。働く場所によって、これだけ税金が違うのだから、完全にばかばかしくなってくる。

かつては国境は仕事の境目だったが、いまでは海外で会社をつくるのも簡単だ。ウェブや金融などの仕事は、そもそも国境自体がなく、どこでやっても一緒だ。デザイナーや作家といった仕事も、べつに日本にいなくてもできる。

ばかばかしい。市場も縮まり、税金も高いなら、なにも日本でやらなくてもいい。世界で最もよい場所で稼ぐだけだ。日本が変わったら戻ってくればいいだけの話。
(#企業も同じ流れである)

■若者(195万円超~330万円以下)
上の所得税区分で言うと、税率20%の区分だ。
多くの若者が、この区分に入っているという。
この所得層の税率が20%というのは、じつは重税感がある。
日本の所得税は、上と下、高所得層と低所得層にとって負担が大きく、中間層にとって最も税負担が少なくできている。もちろん中間層とは、公務員がモデルである。

この所得層にあるのは、「諦め」である。
所得の高い層がばかばかしさを感じているのとはまた別の角度から、バカバカしさを感じている。
まともに働いて出世なんてのは、夢物語夢ストーリー。就職してまず気付くのは、5年後、10年後の給与が見えること言うこと、将来の賃金はあがる気配がないということだ。それでいて、高賃金の高賃金の高年層が会社にがっちりしがみついている状況で、ばかばかしさが増している。
スキルを高めれば給与が増えるわけでもない。賃金が伸びず努力やスキルとも比例しないという仮定において、労働にたいするROIを最大化するためには、なるべく働かないことが最適戦略になる。
社会や政治には関心ないというか、どうなってもおなじ、どうなろうが自分たちの待遇は対してかわらないから、むしろ、破綻してもなんでもいいし、そっちのほうが、再スタートできるし、また頑張るよ。
低所得でもそれなりに暮らせる方法もでてきた。
車もいらないし、家もいらない。
高いものを買う必要はなく、良い品質の安い製品がたくさんある。
ネットで仲間を見つけて、リア充だ。仲間との交流にはお金がかからない。

ばかばかしい。会社や出世なんかの幻想に貴重な人生を費やしたくない。リア充で、超アクティブに生きたい。

この層は実は私生活はほんとうにリア充している。3~4ヶ月先まで、毎週末、友達と交流する予定がぎっしり詰まっているひとも多い。


■中間層(695万円超~900万円以下)
事実上、ここの領域は、大企業か公務員の中年以上くらいしかもはやいないのでは。(大企業や公務員でも若い人はここではない)。そして、税金はこの人々にもっとも有利なように税率が設定されている。つまり、標準家庭(持ち家と住宅ローンがあり専業主婦と子供二人)だ。
所得の二極化といわれて久しいが、その間の中間層というのが、所謂、既得権層とか守られた人々と揶揄されるところで、もはや、ここは新しいものを生み出すより、なんとかして今の待遇を守ろうととにかく必死。会社がいつどうなるかもわからないし、あと10年、なんとか逃げ切りを狙うわけだ。仕事はつまらないし、意味があるとも思えなく、日本のためにもならないのはわかっていて馬鹿馬鹿しいが、勘弁してくれ。生活に充実もないが、あと10年、白々しく生きさせてくれ。


この3つカテゴリのキーワードはお分かりだろう。
ばかばかしい
である。

要するに、すべての層が、いまの状態にたいしてばかばかしいと思っていて、だれも何もコミットしないということだ。
無コミット社会。そうしらけ社会。
そして、高所得者は海外にいってしまい、必死に逃げをねらう多くの中年と、社会に関心ない多くの若者に分類される。

要するに、若い世代にとっては生き方は2つしかないということだ。
既得の中間層にはなれないのだから、①成功を目指して競争社会で頑張る(ただし国内だと閉塞感があるので海外でorフリーランスでやってみる)、②今にフォーカスしてリア充に徹する。所得が伸びなくても幸せに暮らす術を磨く。

所得の2分化というより、人生の選択肢の2分化が起きている感じがする。
そして、ノマドというのは、①にとっては国境を超えたり場所を超えるという意味でとらえられているし、②にとっては共有やシェア、ソーシャル・キャピタルによるお金の代替という意味でもとらえられている。
ノマドが時代を切るキーワードだということはそういうことなのではないか?という仮説。


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