ローカル人材、グローカル人材、グローバル人材の違いが説明できますか?

ローカル人材、グローカル人材、グローバル人材の区別がついていないので、昨今のグローバル人材論が混迷を極めている。

日本企業の定義するグローバル人材の正体は実は、グローカル人材である。

グローカル人材というのは、日本と、現地(中国とかタイとか)をつなぐような人材のことで、日本のことをよくわかったうえで、海外で活躍するような人材だ。現地に生産工場をつくってそれを指導したり、現地の人とうまくやりあいつつも、本社の意向をきいて、うまく間を取り持つような人材だ。

これは、一般にはブリッジ人材と呼ばれている。

たとえば、ブリッジSEという言葉がある。日本の顧客が発注主で、開発がインドだったりする場合に、その間をとりもって、日本のやり方と、インドのやり方のあいだでうまく調整してプロマネするような人のことをいう。これがブリッジ人材。

日本企業のいうグローバル人材とは、ようするにこのブリッジ人材のことである。

一方、グローバル人材というのは、非常に簡単にいえば、多国籍の文化も考えも違うチームを率いて、複雑な問題を解決できるような人材だ。

グローバル人材についての議論がこじれるのは・・

日本企業の用語ではグローカル(ブリッジ)人材を、グローバル人材と定義している上、グローバル人材(多国籍人材)については、日本企業には不要だからだろう。なぜなら日本企業の本社は日本カルチャーで運営されていて、多国籍でもなく多様性はないからだ。

以下に、その3つの違いを説明しておく。

<ローカル人材>
現地の商習慣、言葉、文化を理解し、現地の発想が身についているひと。現地の人のコミュニケーションして現地の人が満足するような形で提供できる。現地の発想で、現地の人が欲するようなものを作ることができる。
ぐだぐだ書いたが、要するに、その土地ネイティブの人のことだ。
日本だったら日本人、中国だったら中国人のことである。

<グローカル人材(ブリッジ人材)>
日本と、現地の間をとりもち、その間の言葉や文化的差異をうまく調整して、よろしく計らう調整役。現地の文化と、日本の文化の両方を知っていて、その翻訳・調整ができることが大事。

中国進出、インドネシア進出、アウトソーシングの依頼など、主に、「進出」や「外注」するとときに必要となる人材

なので、インドにシステムを発注するならインドの異文化の理解が大事で、タイに工場をつくるならタイ人と上手くやっていけることが大事で、その上で、日本文化の理解もできないといけない。

現地のひとをうまくハンドリングできることが求められる一方、日本本社の空気をよんでうまくやらないといけない。

インストール・インストラクター人材

ブリッジ人材のように見えて、2国間の文化をつなぐ(ブリッジ)を全然してない人材もいる。つまり、現地に日本式をインストールする人材だ。
現地のやりかたとのブリッジをするのではなく、日本のやり方をトレーニングして教えて、そのとおりにやってもらう。これは現地の文化とのブリッジではなく、一方的に英語で日本式をトレーニングするだけの人材だ。これは、単に英語が喋れるインストラクターにすぎないが、このようなインストラクター人材を日本企業はグローバル人材と称して多数欲しがっているので、嘆かわしい。

<グローバル人材>
個々の国や地域の事情を超えたレベル、複数の国や地域をまたがって発生する事柄を解決する人材。
多国籍のチームを率いて、問題の解決に当たることができるひと。たとえば日本人がリーダーをする、フランス人、中国人、ドイツ人、イスラエル人の6カ国、混成プロジェクトがあったとしよう。それぞれの国の文化や、やり方に精通するのは不可能である。仮に6カ国の文化がわかっても、どう調整するというのか?日本人がリーダーなのだから、日本式にあわせてもらうのか?ノーであろう。

そこで、どれかの文化背景に依存するのではなくて、お互いの行動様式が違うのを前提に、それでも合意できる普遍的な枠組みで物事を進める。ビジョン、ロジック、合理性、透明で公正なルールといった文化非依存の普遍的な動機で組織を動かし、問題を解決できる。

(この仕事のやりかたは、もともと多民族のひとを束ねて文化非依存のやりかたを培ってきたアメリカの経営者やリーダーの仕事術と、結果としてほぼイコールということになる。)

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