弱者としての、ノマド、フリーランス

ノマドやフリーランスって、それ勝ち組の生き方だよね、弱い人にはできない。
という意見を聞きます。

そして、ノマドやフリーランスの中には、自分は勝ち組だとおもっていて、そういう振る舞いをしているひともいらっしゃるでしょう。

でも僕は、ノマドやフリーランスなんて、既存の社会の仕組みに適応できなかったドロップアウト組にほかならないとおもっています。自慢するようなもんじゃありません。

適応できないので逃げてしまった生き方。ノマドの元々の思想は逃走ですから。
ノマドやフリーランスなんて、社会のカス、ドロップアウトの人材なのです。
僕も、それを自覚しています。



すこし僕の話をします。

エスタブリッシュな社会、つまり、大企業や公務員といったところでキャリアを積むのが既存社会の王道です。僕自身は、それにまったく適合できませんでした。

僕は、大学を出て就職するとき、日本の企業に入ったら息が詰まって死んでしまうと思い、外資系の企業に逃げました。就活学生さんからは、外資のコンサルに入るなんてすごいみたいに思われているのですが、僕の中の感覚では、逃げです。日本企業で働きたくない。自由で実力主義で若くから戦える環境で仕事したい。だから、外資のコンサルに逃げ込んだのです。

コンサルの仕事はとても楽しかったです。ビジネスマンとしての基礎スキルも学び、有意義でした。いまでも感謝しています。

しかし、外資の企業もそうそう簡単ではありません。激しい出世競争と長時間労働。下手すると首になる。パートナー昇進まで、だいたい15年。長い・・・
そうぼくはせっかちなのです。一つのことをずっとやるのが苦手です。そういう出来上がった企業のなかで15年も働くのは、ぼくには想像できませんでした。

なので起業しました。
これも、ある意味では逃げです。
起業すればサラリーマンという枠組みから自由になれる。
(もちろん起業には別の苦労もありますが)

1998年ごろ、最初のインターネットブームがおき、現在残っている企業でいうと、楽天やサイバーエージェントがこの頃に創業されました。

それまでは、経験の浅い若者が企業をつくるなんてことは許されざることでした。経験あるひとが企業をつくり、長年がまんしてようやく株式を公開する。そのころ株式の公開までかかる時間は、平均して25年間でした。

それが、インターネットという新しいテクノロジーと、ベンチャーキャピタルというマネー、そして東証もマザーズなどの出口を用意することになり、一気に、起業というキャリアが、現実味をおびてきたのです。
そのなかで、何人ものスター起業家がうまれ、ホリエモンはその象徴です。

大企業といった既存のレールにのって頑張るのがもう耐えられない人でも起業という道が許されたのです。いままでは大企業のレールを外れるひとは、ドロップアウトと呼ばれました。
東大中退で、学生時代から企業をつくっていたホリエモンなんかは、典型的なドロップアウト組です。

そういうドロップアウト組が、起業というストーリーを得て、
「俺達でもやっていいんだ」「成功できるんだ」「生きていけるんだ」「賞賛されるんだ」
という世の中になったのです。

いままでは、ドロップアウトは、なんとか更生して、既存のレールに再度のれたらゴールだ、みたいなところがりました。
しかし、ドロップアウト組は、既存のレールがいやだから辞めたので、それに戻ることは死です。

起業というストーリーによって、既存のレールから外れたままでも、生きていくことが認められた。


僕は、その起業というストーリーに、心底、勇気をもらいました。
サラリーマンをやることが辛い僕が、起業というストーリーでなら輝けるかもしれない。


起業家なんて、全員が全員強いわけじゃありません。

既存のレールから、ドロップアウトして、自分で商売をはじめるほか生きていく手段がなかった、だから会社を作らざる得なかったというひとも、実は僕は何人かしっています。

後ろ向きの理由でしょうが、それも起業なのです。そしてその起業という生き方が社会的に許されるようになったいま、ドロップアウトで起業した人は、本当に心が救われているでしょう。

他人の商売(大企業)に就職しなくても、自分で商売して生きていくという生き方でもいいんだ。それで、生きて行っていいんだ、そういう安堵感です。

—–

しかし、なんだか今度は起業もエリートコースになってしまいましたw
超一流のテクノロジーを持った人の専売特許にw

いまや、起業するなら、かなりのテクノロジーとビジネスモデルをもって、ちゃんとした計画に基づいて起業して、急成長しないとダメみたいなことが言われています。

いま起業を志す人は、とてもプレッシャーがあるでしょう。起業するなら大きな物をつくらないと意味がないというプレッシャーです。

起業したからには、年収何千マンもかせがなくてはいけない。年商何十億もの企業をつくらないと意味がない。株式公開を目指さない起業は意味がない。そういう感じ。

または、社会性みたいなものもプレッシャーになります。

社会的意義のないものはクソだみたいな風潮があふれ、金儲けなんてくだらない、社会起業こそが素晴らしいみたいにいうひともいます。
なので、社会貢献性が薄い事業をやろうとするひとは、これでいいのだろうかと悩むことになりました。

僕は、再度ドロップアウトしました。
僕には、売上1000億あるような社会的に意義のある企業をつくるのは無理だとわかりました。そういう企業を作るのに邁進することも、僕は辛く感じでしまいました。

なので、小さく僕と、僕の周りだけが快適に生きていけるような規模の企業を作り、成長を目指すのではなく、ゆっくりと生きてけるビジネスを始めたのです。

それが、ノマドや、フリーランスだと僕はおもっています。
サラリーマンからも、ベンチャー起業からもドロップアウトwwした人々。

つまり、すべてからドロップアウトして、
「個人」という単位で、生きてくということでしか生きられない人です。

そういう、究極のドロップアウト組がノマド・フリーランスなのです


ノマド、フリーランスの人は、肩身が狭いです。

大企業や社会のレールからは外れている。

大きな会社をつくって、ビジネスを拡大するのが是というレールからも外れている。

社会貢献できるような崇高な思想をもっているわけではない。

組織にも馴染めない。
組織を作ることもできない。

これらのひとをどうやって更生するか?

既存のレールに再度のるのではなく、立派な起業家や社会活動家に改心するのでもなく、ノマドのまま、ドロップアウトのまま、なんとかノマド個人が生きていく仕組みができれば、それでいいじゃないですかと思います。
そういう生き方で、生活できれば、ノマドの人も大きな勇気をもらえるとおもうのです。

ノマドやフリーランスという行き方でも、生きていいんだ、生きれるぞっていう希望です。

月10万円くらいのビジネスでもいい。
なにも大きなものをつくらなくてもいい。

年収300マンの商売でもいいじゃないですか。

月10万円でいいから稼いでシェアハウスで生きるのも、
スカイプで人生相談するのを生業するのも、
ニートが生活費の安い海外で生活するのも、

いままで、そういう生き方のひとは、まったく稼ぐことができなかったのに、ようやくその生き方でも生きれるようになったのです。

月10マンじゃ子供も持てませんって?

結婚して子供を育てなくては人として立派ではないという価値観。
そういうのも或るでしょう。僕は、そうやって家庭をつくっているひとを尊敬します。
でも、結婚できないひとだっているでしょう。家庭づくりみたいなのが、苦手なひとだっているでしょう。

僕はいま36歳です。僕だって、まだこの年になって結婚できてませんし、結婚できるかどうかもわかりません。そのプレッシャーだって結構感じます。

模範的な生き方から外れたひとを許さない圧力、失敗を許さない圧力。
それが、日本が生きにくい世の中になってしまっている原因だとおもうのです。

既存のレールからドロップアウトした人、既存のレールに乗れなかったひと、そういう人がわんさかいますし、これからもどんどんでてきます。

そういうのが息苦しくて仕方がない人は、ドロップアウトして生きて行ってもいいんですよ。
それがノマドだというように思います。

そんな生き方でも、生きていけるぞ、生きていいんだ、生きれるぞ、という希望が持てれば、ぼくはその生き方を肯定します。


ゲリラ戦です。隙間を突いてなんとか生きていくということでもあります。なんとか食っていく手段ができてきた、武器が与えられたということなのです。

インターネットやSNS、それからグローバル化によって、多様なマネタイズの手段ができ、いままでのような労働とはちがったやり方でもお金を稼げる仕組みもでてきました。

カルチャー面でも、日本に馴染めなければ海外に行けばいいという移動の自由もでてきました。海外で就職という手段も現実化しています。

僕が、ニートをセブに送って生活させてみようという計画に参加してみたのも、そういう意味があります。日本では生きていくのが辛くてニートしていたひとも、東南アジアに馴染んでなんとか生活できるようになり、結婚して家庭も持てた例も知りました。

海外就職や海外キャリアも関心をもって研究しています。日本の企業に就職できなかった人や、馴染めずやめてしまった人が、アジアの現地の企業に就職して生き生きと働いている事例もしっています。

個人でも戦える時代になってきています。個人という単位が社会に認められてきて、個人でも社会にかかわれるようになってきています。

そういうものを得て、ドロップアウトな生き方をするひとが、すこしづつ元気になってきているというのが僕の実感です。

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P.S 最後に、

ノマド、フリーランスの中には、結果として儲かっているひともいます。そうなったら、当人にとっては、多分最高の生き方ですよね。
各自ノマドなりのやり方でいいんで自立して生きていきましょう。
社会のお荷物ていわれないよう、頑張って稼せごうぜ!



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