楽天の全面英語化を考える – グローバル人材は育成ではなく獲得するもの

楽天が社内公用語を英語にすると発表してから2年、ついに2012年の7月より全面英語化に正式に移行する。
これは、日本人同士でも英語を喋り、すべての場面で英語を使うという内容のようだ。
これは日本企業としてはとても踏み込んだものであり、驚きに値するが、いろいろな疑問も出ている。

これは、楽天のグローバルビジネスの拡大を見据えたものだと言っている。
日本のノウハウをスムーズに海外に移植し、いままで通訳をはさんでいたことを直接やり取りするということで効果がでているようだ。

私が思うのは、楽天hどこに向かうのかはちぐはぐな気がする。
単に英語を喋ることができる社員がたくさんいて、日本から英語で指示ができればグローバル化なのではない。それはあくまで「日本企業の海外展開」にとどまる。
本当の意味でのグローバル企業になろうとしているのかは不明だ。

本当のグローバル企業とは、例えば、私がいたアクセンチュアのような企業だ。
この企業は世界54カ国に200以上のオフィスを持ち、24万人以上の社員がいる。
以前は、イリノイ州シカゴに本社があるアメリカ企業であったが、ある日突然、バミューダ諸島に本社をうつした。そして、2009年9月からは、アイルランドのダブリンに本社をうつしている。

この会社にはもちろんマネジメントとしての本社は存在するものの、基本的にはローカルのオフィスが各国に散らばって、それぞれの国で最適に仕事をしている。
日本のコンサルタントは、日本向けの仕事をするので、日本語で仕事をするのが当たり前だ。
中国での仕事もあるが、その場合、日本人が中国で仕事をするのではなく、中国人オフィスで採用された中国人が中国語で中国の会社むけに仕事をする。フランスでの仕事は、フランスで採用されたフランス人がフランスでフランス企業むけに仕事をする。
どこかの国のコンサルタントを世界中に派遣するのではない、その国のことは其の国の人がおこない、そしてそれが54カ国分に展開しているのだ。

もちろん、役員となるパートナーのうち一部は本社から直接の司令を受ける。そこの層は本社とやり取りしないと行けないので英語などはマストだが、末端のコンサルタントは英語はできたほうがいいが、日本企業相手の仕事で英語で仕事はしないし、社内の会話も日本語である。

本社はどうかというと、本社では英語でやり取りされているだろう。ただし、本社は、米国内にない。米国の企業ではない。今はダブリンにあるし、今のCEOはながらくフランス出身でヨーロッパの金融サービスを見ていたフランス人だ。

どこの国でもない本社と、ローカルのオペレーション、これがリアルなグローバル企業の姿である。

なので、人材採用の考え方は全然違う。
グローバル人材といった概念は存在しない。

英語圏で行うサービスで英語を使う人が必要なら、英語圏で英語ネイティブを採用する。
中国本土で行うなら、中国人を採用する。
以上である。
コンサルタントとしてのスキルは育成するけれども、グローバル人材なんて育成しない。
英語を教えるのではなく、喋れるひとを採用する。それだけだ。

グローバル人材なんてものは存在せず、その国にあった人材は育成するのではなく、その国から獲得するものである。

楽天も何がしたいのかよく見えない。
アジア展開する企業になりたいのなら、中国人やインドネシア人を雇えばいい。かれらは中国語やインドネシア語だけしゃべれればよく、せいぜいその会社のマネジメントが英語を喋れればいい。日本も、日本法人を単なる日本ローカルのものと考え、本社機能は分離すべきだ。
べつに本社が日本にあってもいいが、日本の本社機能と、日本のローカルのオペレーションは違う。
本社の人材は英語でしゃべればよかおる。ただ、日本のローカルオペレーションの人材は日本語を喋れば十分である。
そして、本社機能はさっさと、香港なりシンガポールなりに移してしまい、執行役員以下全員シンガポールにお引越し。もしくは、シンガポールで役員を雇えばいい。

もちろんそういうことを考えているのかもしれない。
ただ、順番としては、日本のローカル含めて全部英語化して人を育成してから海外展開より、
本社機能と、日本支社を分離し、本社機能は英語化して、海外に移し人材も海外で最低なひとを採用するほうが早いだろう。

多くの日本企業は前者の順番を踏襲しようとするが、基本的に本当のグローバル企業は後者である。

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