バックパッカーとノマド – 新旧の世界放浪者の違いとは?

またまたノマドネタですいません。

「ノマドって世界を放浪している連中のことでしょ。バックパッカーとなにがちがうんねん」

とよく言われるので、考えを整理しておく。
確かに、世界中を回っているという現象面では似ているが、その内容は、180度違うといってもいい。

まずは、バックパッカーについて。

バックパッカーが長期旅行にでる理由としてもっとも多いのは「自分探し」だ。
自分を探しに世界を一周してみて、とりわけ低開発国の惨状や、文化の違いなどを目の当たりにして、ショックをうけて帰ってくる。
そして現地のひととの交流を旅の目的として、旅は人だ、ということをいうようになり、とる写真は薄汚れた服をきた小さな子どもが、丸い目をしてファインダーを見つめ返してくるような写真が多くなる。




自分がもう少しなにかできる事があるのではと考えるようになり、一部はボランティア活動にのめり込んだり、あるいは、いてもたってもいられなくなり、日本に帰ってきて、なにか別の居場所をさがしてみたりする。
世界一周とは、自分探しと同義語なのである。
ピースボートとかに乗ってしまうひとも要するにこれである。
国際ボランティアとかもこれ。

社会学者の古市氏が「希望難民御一行様」で指摘しているように 、自分探しに世界にでかけて、結果として、世界の現実をみることによって、自分の過大で厨二病な夢をあきらめ「大人に脱皮して」帰ってくるのだ。世界一周は人生度一度限りのイベントで、それは人生のターニングポイントだ。そして、日本に帰ってきて、「おとなしく暮らす」ようになる。



これを、旧世代の放浪者、バックパッカーと呼ぶ。


ノマドときいて、否定的な反応が帰ってくるパターンに、
みんなが思い浮かべるのはこのバックパッカーの姿であり、それにたいして、

「またかよ」
「うんざり」
「世界一周ブログ書く奴何人目だよ(藁)」

というものが良くあるので、このイメージがつよいのだとおもう。
まあ、青臭い青春の一人旅が悪いということではないので、単に、私はこのような旅は、ほとんど興味がないし、ノマドノマドといっているのは、このような話ではないということだ。

私がノマドといっている世界放浪者の目的は、自分探しということはあまりない。

では何を目的としているか?

ひとつは、ビジネスのタネだ。
カンボジアのドル預金の金利が8%だったり、どこどこの国の法人設立や何々に関する規制や税金が緩いといった、そういう話が話題の中心である。現地人の暮らしぶりは話にあがるが、その文脈は、「何が普及していて、何がたりないから、何を売ったらいけそうだ」とかそういう市場としての文脈がもっぱらだ。
要するに、新しい市場や投資機会、より自由な環境をもとめてリサーチをしている。これがビジネス型世界放浪者だ。

もう一つはタイプは、引越し先(滞在先)を探している人。日本に飽きたので、暫くはセブ島に住んで、そのあとはウクライナにでも住もうと思うとか、そんな感じ。ようするに、日本は暑いとか、うざいとか、で、よりよい住環境や刺激的な都市をもとめて、世界を目で見てまわっているという感じである。

この手のタイプの間では、「都市の物価、家賃や治安、医療環境やビザ」などとう話が情報交換されている。
このタイプの中には、ほんとに純粋に旅行を楽しんでいるひともいて、たんに楽しい遊び場所をさがして世界をリサーチしている感じのひともいる。基本的に、人生を楽しむ場所を探しにうろついているということで、悲壮感はゼロだ。

この2つのタイプは相性がよく、同時に行なっているひともいる。滞在先を変えながらいろいろなビジネスをしている。この典型例は、ジム・ロジャーズ氏であろう。

後者のビジネス型放浪者と、滞在型放浪者を2つあわせて、新型の放浪者(ノマド)と名付ける。わたしが、ノマド、ノマド、といっているのはもっぱらこの新型のノマドのことをいっているのでる。

旧型バックパッカーと、新型ノマドは、その動機や目的、旅の仕方、あらゆる面で大きく違う。

さきほども説明したように、
旧型の動機が、「自分探し」なのに対して、新型の動機は「ビジネスチャンスや、新しい楽しみ探し」である。

結果として、
旧型は自分をみつけて帰る。つまり、外国でなにかを学んで、持ち帰って日本に住むのにたいして、新型 は、日本を脱出して、外国にチャンスをみつけにいく。矢印が逆なのである。

旅行者のイメージもだいぶ違う。
旧型は圧倒的に若者。英語はあまり喋れずカタコト。世界一周が実は初めての外国旅行です、というひとも少なくないし、基本は貧乏旅行である。

新型は、すでにある程度成功をしていて人生をエンジョイしているひとが始めるので、年齢も40代というひとも多く、予算も十分にあり、スタイリッシュで、悲壮感はなく、基本的に楽天的だ。

訪問先も違う。
旧型は、基本的には、異文化体験を大事にするので、インドや ネパール などの低開発地域にいく。カーストの底辺を見に田舎にいくことが大事で、決してバンガロールのITパークに起業家を訪れたりはしない。人気の旅行先のカンボジアも、アンコールワットはどちらのタイプも訪れるが、そこで地雷の話や地元の村人との交流をするのが旧型だとすれば、プノンペン証券取引所の会員口座を試しに作ってみるのが新型だ。新型のノマドは、ビジネスや楽しみのために訪れるので、ビジネスや物流などのハブ都市や、独特の文化やエンタメがあるような文化のハブに訪れる。

また、旧型バックパッカーは、実は本当の辺境にはいかない。田舎は大好きだが、道路が通っている必要があるし。人が住んでいるところでないと駄目だ。
新型ノマドは、新しい刺激と楽しみを探しにいっていることが多いので、南極の山を登りに行ったり、オフロードバイクで道路のない砂漠を横断したり、ワシントン州でシーカヤックをやるなど、本当の自然で遊ぶことがある。

なお、このような形態のノマドは、以前はジム・ロジャーズ氏みたいな大金持ちの特権だったが、最近のネットの発展で、場所と時間を選ばず不労所得を得る方法もでてきており、組み合わせて、低年収(無資産)のジム・ロジャース(笑)ができる。この話はオンラインサロン tyk projecs にてまさにいま、議論しているところだ。

旧世界放浪者(バックパッカー) 新世界放浪者(ノマド)
目的 自分探し ビジネスチャンスか、滞在先探し
たびに出るキッカケ 人生が満たされていない。 日本飽きた。日本オワコン。
発見すること 異文化体験 まだ注目されてない市場・投資機会、新しい楽しみ・娯楽
ベクトル 海外→日本(外から内) 日本→海外(内から外)
イメージ 若者、悲壮 リッチ、スタイリッシュ、楽天的。
英語は基本的に喋れる。
関連概念 ボランティア、国際交流 ビジネス、エンターテイメント
好まれる訪問先 インドの田舎など低開発地域 文化・ビジネスのハブ都市、又は本当の辺境


なお、いちおうヤバい元バックパッカーについても触れておく。 要するに、バンコクやマニラに沈没しているような、薄汚く、なにをやっているのかわからない不可思議な日本人だ。
人生がなんらかのキッカケでいやになり、自分探しが動機で国外でたところまでは一緒だが、だんだんとやばい方向に手をそめて、違法な仕事をしたり、クスリ関係の仲介をしたり、自分もクスリでわけわからなくなっていたりする。こういう連中とは僕は関わりたくないし、私の考えるノマドということには含まれないのは明らかだ。

なお、”元”といったのは、こういう人にとって、旅行・移動はすでに興味が無いからだ。彼らのバックパッカー時代はすでに過ぎ去っている。
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